小児科 すこやかアレルギークリニック

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大きな目的のひとつ
2014年07月19日 更新

今日の午後から長岡市で栄養士会の講演があります。

先週10日に私の講演内容を示した資料を送った時点で、怠け者の悪いクセが出て、ちょっと気が抜けていました(大汗)。

直前になって、急に「あの話しもしたい、この話も抜けていた」と慌ててスライドを付け加えています。当日の朝になっても、悪戦苦闘中です。一応、スライドは既に100枚を越えていますが、更に増えそう…。

7月1日の記事でも触れましたが、先月末に名古屋で開催された日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会の会長だったあいち小児保険医療総合センターの伊藤先生が記念誌として発売した「おいしく治す食物アレルギー攻略法」という本を参考にさせて頂いています。

私も学会で食物アレルギーの話はよく聞きますが、負荷試験の結果をもとにシステマチックに食べ進めていく方法を打ち出しているのが伊藤先生だと思っており、今後はそういったやり方が増えていくものと考えています。

新潟県は食物アレルギーの専門医が極めて少なく、私の学んだ福岡の病院でも専門医の指導のもと、栄養士さんが力を付けていたので、県内の栄養士さんはやる気はあっても力を発揮できない状況だと思っています。

そこで、私のような者でも持っている知識がお役に立てるならと思い、気合いが入っている訳です。県内の小児科医は「完全除去」ということが多く、完全除去なら完全除去の栄養指導があるのですが、今は「食べられる範囲まで食べることができる」というのが常識になってきています。

食べられる範囲を決定するのは医師の仕事であり、負荷試験をしなければ分からないことが多いと思っています。それを栄養士さんに押し付けるのは間違っています。

講演の中で触れるつもりなのは、プロバビリティカーブのことです。これは卵や牛乳のアレルギー検査の数値がどれくらいなら、どれくらいの確率で食べることができるかを示しています。負荷試験をせずに、食べられる目安が分かるというメリットがあります。

ただ、先ほど言った通り、今は「食べられる範囲まで食べることができる」と言われています。プロバビリティカーブは卵1個を食べられるかどうかを表しており、例えば卵1個は無理でも、1/4個は食べられるとします。となると、卵1/4個以下の卵タンパクを含む加工品は食べられるのではないかということになります。

卵1/4個でも「食べられる範囲まで食べられる」ので、その範囲内で食べ進めてもいいことになります。卵1/4個食べられるかどうかは、プロバビリティカーブでは読み取れません。となると、積極的な負荷試験が必要になります。

新潟県内は負荷試験をやらない小児科医が多いですが、となると専門医にかかっていないと、専門医にかかっている患者さんに比べ、どんどん遅れをとってしまうことになります。

繰り返し言っているように「食べられる範囲まで食べられ」、逆に完全除去はよくないと言われてきているので、栄養士さんには専門医への受診を勧めて頂いた方が患者さんのためでもあり、ご自分の力を発揮できることになります。

今日の講演では、食物アレルギーにおいて医師のすべき仕事を明らかにし、その上で「ここからが栄養士さんの仕事だよ」ということを理解して頂くのも大きな目的のひとつです。

午前中の診療も混みそうですが、仕事を終えたらすぐに長岡へ向かわないといけません。休んではいられませんが、今日の講演も今年の仕事の中では重要なものと言えます。思いの丈をすべてぶつけたいと思っています。