昨日も学会の準備を頑張りました。
800件のデータを入力するのは、かなり大変です。年齢や食材、アレルギー検査の数値などが必要なので、それをひとつひとつパソコンに打ち込んでいきます。スタッフの協力も得て、だいぶ進んでいます。
それが当院の最新のデータになる訳で、今日も某市に食物アレルギーの講演に行きますが、その際にも「数値が高くてもこんなに食べられるんです」という話ができることになります。講演活動はいかに自分のデータを自信を持って話すことでより伝わるのだろうと思っています。
そんな中、昨日外来をやっていて、午前中の最後の方にアトピー性皮膚炎の患者さんが当院を初めて受診されました。
一見してアトピー性皮膚炎で、ハッキリ言って結構ひどい状態です。有名な皮膚科2件にかかっていました。なかなか良くならず、次第にステロイド軟膏を拒否するようになっていったようです。子どもの痒がる状態に我慢できなくなり、キチンと治療したいという思いで、当院を受診されたそうです。
小児科もそうでしょうが、皮膚科も長く待たされて、3分診療なんてことはよく聞きます。だいたいどこに行っても、キチンと診断して、しっかり説明するところはほとんど見かけません。
ガイドラインにはステロイドをしっかり使うようにと書いてありますが、ガイドライン片手に時間をかけて説明する皮膚科、ないし小児科は県内に存在するのでしょうか?。それくらい、まともに向き合って、しかも責任を持って治療してくれるところは極めて少ない状況です。
ステロイドを使ってでもキチンと良くしたいという親御さんの“覚悟”は見てとれました。私としてはいつものことですが、それこそガイドライン片手に時間をかけて説明しています。ともすると、1時間くらいはお話ししただろうと思います。
概ね理解して下さったようです。短期で良くすることはそんなに難しいことではありません。「今が最低ラインなので、これからは上がっていくだけだからね」とよく言っていますが、親御さんの期待に応えるべく、前に進んでいくだけです。
午後になって、100キロ程離れた某市から食物アレルギーで困っている患者さんが受診されました。
何とアレルギーに詳しい先生にかかっていたそうです。「アレルギーマーチ」と言って赤ちゃんの時からアレルギーの病気がいろいろ出てくることは、当院では結構見かけることです。つまり、乳児期にアトピーと食物アレルギーを発症し、幼児期にぜんそくを合併してくるというような感じです。
この患者さんは、食物アレルギーの相談に来られましたが、アトピーやぜんそくがないかもみるようにしています。
専門の先生に診てもらっていたにもかかわらず、何とアトピー性皮膚炎が見逃されていました。治療も、ガイドラインに沿っていないようです。また、ぜんそくも発症しかけていました。しかし、風邪と言われている割りに、ぜんそくの薬が出されていました。説明がしっかりなされていないなと感じました。
今の時代、アレルギー専門であれば、患者ニーズに合わせるために「食物負荷試験」は避けられないと思っています。ところが、「家で食べるように」と言われていたようです。確かにアレルギー検査の数値はさほどでもありませんが、家で食べさせることに大きな抵抗のある親御さんの場合、食物負荷試験の話を持ちかけるべきでしょう。
今、当院のデータを入力しているところですから、例えば検査がクラス0の患者さんにも負荷試験をやっているのは、2000件あまりの中の5%くらいありました。
甲殻類やソバ、ピーナッツなど、いわゆる“怖い”アレルゲンは、「不安で家で食べさせられない」という方も多いですし、卵や牛乳で過去にアレルギー症状が誘発されていて、検査がクラス0になっても、同様に心配で食べさせるのが怖いとおっしゃる方もいます。当院でも数例ですが、クラス0でも症状が誘発されている患者さんもいます。
数字が高くても、臆することなく(?)食べさせる親御さんもいますし、怖くて心配で食べさせられないお母さんもいます。そういった状況に合わせて負荷試験は行なうべきだと思っています。
アレルギーに詳しいとは言え、ちょっと「??」という説明や指導もあったので、「あれもこれも話さないと」なんて思っていたら、説明に時間が掛かってしまいました。1時間以上はお話ししたと思います。
小児科医は大抵、よく言えばスピーディーに診療していますが、親御さんに食い下がられると、当然時間が掛かります。特に苦手分野のことをしつこく聞かれると、不機嫌になる場合もあるでしょう。何より、時間が取られることをとても嫌います。多分、時間を取られると、「損をした」という気持ちになると思います。
昨日の当院では、2時間でふたりしか診られませんでした。でも、損をしたとは思っていません。
アトピーの患者さんは近くの方でしたが、食物アレルギーの患者さんは100キロ程の距離を当院目指して受診して下さいました。ある意味、私にしかできないことを期待して、受診して下さったのだと理解しています。ちなみに、あとの患者さんは負荷試験を希望され、来月に予約を入れていって下さっています。
何でも鑑定団ではないですが、ちょっとだけ「いい仕事したな~」と思っています。


