小児科 すこやかアレルギークリニック

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タイヤの両輪
2014年08月27日 更新

昨日、患者さんのお父さんから「学会の準備、頑張って下さい」と言われました。

この場をお読みの方のようです。私のプライバシーなんて、あったものじゃない!?(笑)。

さすがに「エンジンがかかりません」とは言えず、疲れた身体に鞭打って、スライド作りに集中しています。話の内容は自信がないのですが、7割くらい終わったかな?。

話の中で強調すべきは、当院がアナフィラキシーを起こしにくい負荷試験を目指して、日々取り組んでおり、それなりの成果を上げていることを多くの方々に知って頂くことです。

負荷試験は、やっていない医師にとっては気の重いものです。医院で食べさせて「アナフィラキシーを起こしてしまったらどうしよう」とか、「急変したら診療がストップしてしまう」とか、ついデメリットの方に目が行ってしまいがちだと思います。言わば“食わず嫌い”になっているようです。

メリットは、もちろん自分の患者さんに無駄な除去をさせないし、かかりつけ医として責任を果たすことができます。私にしてみれは、これって何事にも代え難い喜びです。昨日も新潟市や長岡市から負荷試験に訪れた患者さんがいましたが、私も親御さんも「食べさせたい」という目標に向かい、同じ方向を見ている訳です。

新潟市からの患者さんの方は、卵アレルギーがありました。赤ちゃんの頃、卵の成分の入った薬を飲み、アナフィラキシーを起こしています。他にもアナフィラキシーを何度か起こしていました。

地元のかかりつけ医からは、誤食したら急いで受診するように言われていました。ただ開業医なので、夜や休みの日でもキチンと対応してもらえるのでしょうか?。

誤食時の対応薬は、内服薬やエピペンがある訳ですが、このようにアナフィラキシーを繰り返していれば、もちろん処方すべきなのですが、処方すらされていませんでした。専門でない医師は、こういうことはよくあります。卵アレルギーと診断しているのだから、誤食時の薬を出さないのは、矛盾しているようの感じます。人間はミスする動物なので、「除去しておけば、誤食は起きない」という考え方は危険です。

ましてや、この患者さんは重症ですし、適応もあるのでエピペンを持たせるべきでした。この辺りは、専門医に紹介して、その後の似たような患者さんの対処法を学ぶべきですが、そうは考えない医師が多いのが現状です。

その一方で、「卵は完全除去が必要だろうか?」と考える必要があります。もちろん、当院受診までは完全除去でしたが、私は「加工品なら食べられるんじゃないか」と考えていました。

再度新潟市から受診して頂き、卵の加工品の負荷試験を行いました。難なく、食べることができました。最近は「完全除去はよくない」と言われています。

食物アレルギーの対応は、「誤食させないようにする」、その一方で「誤食した時の対応を知る」ことも重要です。

治りにくいアレルゲンなら、いま言った除去と誤食時の対応を知っておくべきですが、「食べられる範囲で食べさせる」という、車のタイヤの両輪に当たることも同時並行でやるべきなのだろうと思っています。

ハッキリ言って、そのいずれもがなされていなかった訳です。重症な食物アレルギーを診るという点では、主治医失格と言えます。

こういったエピペンを持っているような、過去に重症なアナフィラキシー症状を起こした患者さんは、つい完全除去を何年も続けてしまいがちですが、私はそうすべきではないと思っています。

確かに重症で、加工品もなかなか食べられない患者さんがいるのも事実です。ただ、いろいろ試してみた上で、「完全除去を続けるのがベスト」と判断された時のみ、そうすべきでしょう。

こういうことも是非知っておいて頂きたいと思っています。