小児科 すこやかアレルギークリニック

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臨機応変
2014年09月19日 更新

先日の負荷試験は、市外の患者さんばかりでした。

と言っても、当院ではそんなに珍しいことではありません。食物アレルギーで困っている患者さんが、食べられるのかどうかシロクロ付けるために受診して下さっています。その日は糸魚川市と十日町市の患者さんでした。

私が思うに、負荷試験は調べたい時が“旬”でしょう。先延ばししてもいいことはないように思っており、そうこうしているうちに冬になってしまいます。さすがに遠路からの受診は、路面凍結などしていれば危険だったりします。

真冬でも受診してくださる患者さんもいらっしゃいますが、私としてはひとりひとりにシロクロ付けるよう全力を尽くすだけです。

その日は、上のお子さんが負荷試験を受ける予定になっていました。下のお子さんは、要はついてきただけだったのですが、乳製品を摂ったら赤くなったというようなことをおっしゃっており、乳製品を食べさせることに不安を感じているようでした。

「だったら、ついでにこの子も負荷試験をやっていきますか?」と言いました。お母さんは、予約が入っていなかったので、少し申し訳なさそうな顔をしたのですが、その子の負荷試験のために、また遠路をかけて受診されるのも手間ですから、合意が得られました。

当院は上越市内の街中にあるものですから、近くにスーパーやコンビニ、ドラッグストアもあるため、乳入りのお菓子を買ってきて頂き、“臨時参戦”となりました。

上のお子さんが負荷試験をやっている間は、何もせず待っているため、乳製品を食べさせることに不安を感じたというタイミングも相まって、時間を有効に使えたのかなと思っています。

一方、上のお子さんは、卵アレルギーがあり、卵の加工品を使って負荷試験をやる予定でした。お菓子を用意して頂き、負荷試験を開始したのですが、途中で食べなくなってしまいました。「味が嫌い」とか「飽きた」とか様々な理由があるのでしょうが、食べないことにはシロクロの付けようがありません。

せっかく来られたので、このまま引き下がるのも申し訳ないと考えました。食材を代えようと思いました。当初の卵入りのお菓子と同等の卵を含むパンに変更することになりました。親御さんには“手間”でしたが、パンを買ってきて頂きました。

それは小さな細長いパンだったのですが、1本食べ、2本目を食べ、3本目に差し掛かったところで、症状が誘発されました。蕁麻疹と咳が出てきました。

卵タンパクの量としては大したことがなかったので、正直症状は出ないことを予想していました。食べて自信をつけてもらうつもりだったのですが、目論みは外れてしまいました(涙)。

内服薬と気管支拡張薬の吸入で治療し、咳はあっさり軽快しましたが、蕁麻疹は少しは出ました。しかし、ゆっくり治まっていきました。

いつも症状が誘発された時に言っているのですが、「“現実”を見ることができた」と親御さんに言っています。少量の卵で症状が誘発されてしまったので、卵料理を一口食べてしまえば、アナフィラキシーを起こしてしまうかもしれません。「うちの子は決して軽くないんだ」ということを目の当たりにできたと思っています。

あと、対処法も学べました。家に吸入器がなければ、吸入はできませんが、内服薬で経過をみたところ、ゆっくり軽快しています。家で誤食時のシュミレーションにもなると思っています。

また、大した量ではないですが、「これくらいは食べられそうだ」という目安が分かりました。完全除去ではなく、少ないながらも前を向いて食べていくという方向性も示すことができました。

親御さんは何度か買い物に行って、大変だったとは思いますが、ある程度は臨機応変に対応し、負荷試験の結果を受けて、兄弟の食事の進め方に対する指導はできたと思っています。