小児科 すこやかアレルギークリニック

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一件落着のはずが
2014年10月21日 更新

先日は、下越地方から2人受診がありました。

新潟県民以外は通じないと思いますが、当院から100キロ以上離れた地域から受診がありました。食物アレルギーで困っており、何とかしたいと思う親御さんは少なくないんだなと思っています。

当然と言いますか、各々の方は地元の小児科かにかかっています。不満を覚えて、救いを求めて受診されたのです。こんな田舎の開業医の存在をご存知で、有り難いと思います。

一人は、卵アレルギーがあり、どこまで食べられるか知りたいと思っていました。かかりつけ医から負荷試験を行なっている専門医に紹介してもらえる寸前までいったのですが、誤食があり症状が少し出たため、負荷試験の意味がないようなことを言われて、紹介してもらえなくなったそうです。

私からすれば、それでも負荷試験は必要だと思います。つまり、親御さんの主張に賛同します。

卵をどこまで食べられるのか?、それを知りたい訳です。確かに体調や食べるもの、同じ料理であっても調理の具合いで変わってくる部分もあるでしょう。それでも、少量でアナフィラキシーを起こすのかどうかを知っておきたいのは、親心ならではでしょう。子どもを守りたいからです。ということで、当院で負荷試験をやることになっています。

もう一人は、小児科を転々とされていたようです。これはドクターショッピングと言われ、医者からすればあちこち手をつける悪い患者と思いがちですが、医師側が納得のできる医療を提供しないから、転々とせざるを得ない訳です。これは医師が反省すべきでしょう。

最終的には、専門医に辿り着き一件落着のはずですが、そうはなりませんでした。100キロ以上離れた当院に救いを求めて受診されることになりました。

乳児期にアトピー性皮膚炎の湿疹が出ていたようですが、診断もままならず、当然のごとく治療も適切なものが行なわれていませんでした。

最近は経皮感作なんて言われており、皮膚から食物アレルギーが悪化する可能性が指摘されているため、適確にアトピー性皮膚炎を診断し、速やかに適切な治療をなされなければいけないと思うのですが、そういうことを知っている医師が少ないからでしょう。漫然と治療され、改善が思わしくなくても、専門医に紹介されることもまずありません。

その影響もあるもかもしれませんが、卵、乳、小麦、その他を除去していました。ぜんそくも重く、入退院を繰り返していたようです。小さい頃のアトピーは自然治癒傾向もあるため、だいぶ落ち着いていました。ぜんそくも遅ればせながら吸入ステロイド薬が処方され、発作頻度も減っていくと思われます。

あとは、食物アレルギーが残りました。食物アレルギーは、アレルギー検査の数値が高い人がいます。負荷試験を行い、食べられることを確認してあげるべきです。この場合、食べたことがないので、どんな症状が出るか分かりません。けれど、「家で食べさせてみなさい」なんて私の口からは言えません。親御さんはもっと食べさせるのが怖いからです。

私が緊張するのは、過去にアナフィラキシーを起こした食べ物で負荷試験をする時です。アレルギー検査の数値が極めて高いこともありますが、それほどでもないこともあります。しかし、過去に強烈な症状を起こしていれば、また今回も起こすかもしれません。それでも負荷試験をやるのは、時間が経過して「治ったかもしれない」と思う場合と、先の患者さんじゃないですが「どこまで食べられるか知りたい」と思うケースです。

アナフィラキシー経験者の場合、私だって負荷試験は怖いのですから、親御さんはもっと怖くて食べさせられないはずです。ところが、この患者さんの場合、専門医から「家で少しずつ食べさせてみなさい」と言われていたそうです。正直、呆れてしまいました。患者さんにアナフィラキシーのリスクを押し付けてはいけないはずです。

ちなみに、兄弟で受診され、下のお子さんのアトピー性皮膚炎も見逃されていました。また、上の子でご苦労されているので、検査で卵や乳、小麦もクラス0にもかかわらず、食べさせられずにいました。結局、負荷試験は親御さんの不安や恐怖を肩代わりするものと私は認識しているので、この子も上の子と一緒に負荷試験をやることを提案しました。

専門医という肩書きがあっても、また普段お世話になっている小児科であっても、アナフィラキシーを起こしたことのある子に対し、「家で少しずつ食べさせてみなさい」というのは、私は正しくないと思っています。本当に食物アレルギーに理解のある医師なら、そういうことは言わないだろうと思っています。

食物アレルギーを任せれるかどうかは、その辺りがポイントになるのではないかと思います。