来週、新潟市内で講演会があります。
その準備をしています。一般的に小児科の外来は夏場がヒマで、秋から冬にかけて忙しくなるパターンでしょうが、当院の場合、夏は決してヒマではなく、秋になりぜんそくの悪化しやすいシーズンとなり、さらにインフルエンザの予防接種も加わり、多忙を極めています。
仕事でヘロヘロになりながら、金魚やコイの世話をし、さらに講演や学会の準備をしなければなりません。ちなみに、ようやく落ち着いてきましたが、金魚の水槽で白点病という寄生虫の一種が見られ始め、こちらも勉強しながら治療しています。間に合わなかったケースもありましたが、少し治療のコツをつかみ始めました。生き物を飼うって、結構難しい。
そんな毎日ですが、今年の秋はちょっと変かなと思っています。夏が夏らしくなかったということもあるのかもしれませんが、例年よりもぜんそくの調子の悪いお子さんが目立つ気がします。
1年ぶりにぜんそくの治療薬をもらいにくる人もいますが、2年ぶりだったり、この場でも触れましたが、4年ぶりにゼーゼーいった患者さんもいます。このように秋は1年を通じてぜんそく発作を起こしやすいため、あわてて小児科に駆け込む子ども達が増えるようです。
ただ、ぜんそくは慢性の病気なので、すぐに治るものでもありません。「秋になったらぜんそく発作を起こすかもしれないから気をつけよう」とあらかじめ用心することができます。そのためには、主治医である小児科医が患者教育をしておく必要があります。
その結果、当院では、ぜんそく特有の咳が出始めたら、すぐに受診して下さる患者さんが多いのです。こじれてから治療しても治りは悪いし、その間症状で苦しめられることになります。当然、痛い思いはしたくないでしょうから、もしくは過去に痛い思いをした場合は二の舞にならないように、早め早めの対応を取るよう指導しているつもりです。
先日、治療はしていたのですが、一気に悪くなり、病院に入院治療をお願いした患者さんがいました。酸素の取り込みは90%程でした。分かる人がみれば、相当悪い数字です。最近他院から当院に移ってこられたため、まだ症状が落ち着いていないのかなと考えています。
前の晩はほとんど眠れず、朝を待って当院を受診して下さったのですが、ぐったりして、肩で息をし、胸がペコペコしている状態でした。私はこれまで入院しそうな患者さんを何人もいざという時用の治療をしたりして、入院を回避してきました。ただ、今回のようにここまで悪いと、一旦入院加療をして体制を立て直す方が大切だと思います。
私が把握している状況ですと、この秋にぜんそく発作で入院したお子さんは、2名です。大勢ぜんそくの患者さんを診ていると、外来治療が可能か、入院した方がいいかはだいたい分かります。この2名は、外来でダラダラ治療するよりは、入院で一気に治療した方がベストと判断させて頂いています。
秋になると、ぜんそく発作を起こした子に点滴をする治療が行なわれることが多いと思います。いろんな小児科で、何人もの子が並んで寝ながら点滴をされているという光景を目の当たりにされた方もいらっしゃることでしょう。
当院のこの秋の状況ですが、ぜんそく発作で点滴した患者さんの数は今のところ「0」です。医療は何か処置をすれば医療費が発生します。点滴をした方が医院は利益が上がるのでしょうが、利益のために医療をしている訳ではないので、この秋に限らず当院では「0」もしくは「あっても1、2件」という状況が続いています。
私が学んだ福岡の専門病院では、超重症な患者さんが多かったので、こうはいかないでしょうが、普通の開業医ならぜんそくという病気の知識を深め、さらに患者教育を徹底すれば、「0」は可能だと思っています。
逆に、やたらと点滴が多い医院は、敢えて言いますが、治療や指導が適切なんだろうかと疑ってしまいます。現にぜんそくとも診断されずに、点滴を繰り返しているような医療機関は存在します。
当院が開業した当時、「この医院で点滴をしている子どもの姿は見かけない」と複数のお母さん方から言われました。私は当然のことをしているだけなので、違和感を覚えたものです。最近言われなくなったのは、これが当院では当たり前になったのだと思います。
そういう目で医院や医師の治療を見てみるのも、面白いかもしれません。


