小児科 すこやかアレルギークリニック

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専門医の割合
2014年11月17日 更新

昨日は、昼過ぎに新潟市に向かいました。

講演があったからです。食物アレルギーは診断が曖昧です。例えば、赤ちゃんにアレルギー検査をしてみると、いろんなものが陽性になることがあります。

それすべてがアレルギーとは限りません。どれか一つでも食べて症状があれば食物アレルギーがあるという判断になりますが、症状が出ないものがあれば、その食品に関しては食物アレルギーではないということになります。

まだ小さい子に、例えばピーナッツなどを負荷試験をやる訳にもいかず、対応としては曖昧にならざるを得ないのです。

専門医であれば、できる限り負荷試験を行ない、除去すべきかどうか評価するのでしょうが、非専門医はもちろん、専門医であっても負荷試験をやっていない医師は大勢います。何一つ負荷試験もせず、検査が陽性というだけで「除去、除去」とされてしまい、尚更曖昧な対応になります。

親も除去しろと言われたから除去し、それが園や学校にも伝わります。曖昧の伝播で、もしその子が除去する必要がないのなら、周囲の大人がする必要のない除去を熱心にやることになります。

確かに専門医だから何でも正確に診断できないこともあることでしょう。でも、なるべく曖昧な部分を減らす努力はしていると思います。ということで、昨日の講演は、食物アレルギーは曖昧な部分が結構あり、医師の言うことが違うこと、専門医であってもシロクロ付つにくい場合もあり、実態がとらえどころがないという話も組み入れました。

一昨日、当院に日経メディカルという雑誌が届きました。主題が「アレルギー診療の新常識」と書かれており、思わず手に取りました。

中を見ると、衝撃的な文字が…。「求められるアレルギー診療の均てん化」、「ガイドラインに沿わない治療に患者は混乱」などと書かれています。「これって、オレが日頃から書いていることじゃん!!」って思いました。

街を走れば、クリニックの看板が否応なしに目に入ってきます。「小児科・アレルギー科」、「皮膚科・アレルギー科」、「耳鼻科・アレルギー科」などなど。県内ならだいたい分かっているので「あれっ、この先生、アレルギーの研修は受けていないはずだけどな」と思うこともしばしば。アレルギー関係の学会で顔を見たことのない人も大勢います。

要は、お医者さんは偉いので、何でも標榜できてしまうのです。極端な話、私が「外科」とか「産科」とはやったことのない科でも標榜できてしまいます。

患者さんは「アレルギー科」の看板を見て、「この人は専門家だ」と先入観を持って受診します。ところが、ぜんそくを“風邪”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”と診断したり、さらに食物アレルギーの確定診断である食物負荷試験を“隠蔽”したりします。

こんな“詐欺”っぽいことは止めにしませんかかと思うのですが、なかなかそういう風には向かないようです。

この雑誌にこんなグラフが出ていました(添付画像)。アレルギー科を標榜する医療機関の専門医の有無を示しています。専門医が30.2%だそうです。これって多くの方が「少ない」と思うことでしょう。

もちろん、結構難しい試験をクリアしているので、専門的な知識を持っているのですが、専門医だから食物負荷試験をやっているとは限りません。それとこれとは別問題になります。食物アレルギーに関しては、大きな目安になっても、適確な診療を受けられるとは限らないのです。

先程の30.2%、私は「とても多い」と思いました。申し訳ないのですが、この調査は当院にも来ましたが、忙しさのあまり回答を忘れてしまいました。結構記入する部分が多かったので、回答していない医師がかなり多いはずです。

しかも、興味のある医師しか回答しないでしょうから、専門医がとても多くなっているように感じます。新潟県内を振り返ると、例えば小児科医でアレルギー専門医の資格のある人は1割以下です。多くのクリニックを考えると、専門医が3割もいない状況です。

残念ながら、アレルギー科の標榜が“違法”でないため、医師を見極める目を持つことが、自分の子を守ることにつながるのだろうと思います。