現在、胃腸炎が流行っています。
胃腸炎というと、嘔吐、下痢、腹痛が主な症状ですが、腹痛のみの患者さんを診ることがあります。胃腸炎のウィルスを上から追い出そうとするのが「嘔吐」、下から追い出そうとするのが「下痢」ですから、嘔吐や下痢がみられないと「何だろう?」と考えることになります。
こういう場合、子どもは便秘のことが多いようです。そう言うと「うちの子は毎日便が出ています」と便秘は有り得ないようなことを言われることが多いのですが、お腹を触り便の塊をふれることで、便秘があり、浣腸の必要性を説きます。
時には母の手を握り、便の塊を触れてもらうようにしています。便秘の度に医院に来てもらうようにすれば、利益という点では有利なのかもしれませんが、それが目的ではないため、同じ方法で便秘と判断されたら自宅で浣腸してもらおうと思っています。そうした方が、お互い時間のロスにならないと思うのです。
少し前のことになりますが、食物アレルギーでアナフィラキシーを起こしたことのあるお子さんが、N市のかかりつけ医から「同じようになったら、点滴してあげるから医院に飛んできなさい」と言われたそうです。
開業医ですから、夜中や週末は診療はやっていないはずです。でも誤食は夜間だって、日曜祭日にだって起こり得ます。医院に飛んできたって、対応はしてもらえないのです。
食物アレルギーの誤食時の対応は、エピペンばかりが注目されていますが、まずは抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服です。誤食しても、軽く済むことも多く、じんましん程度で終わってしまいます。一方、じんましんといった皮膚症状のみならず、呼吸器や消化器、全身症状が見られたら、エピペンの出番となります。
食物アレルギーと診断したら、こういった内服薬を必ずと言っていい程処方していますし、アナフィラキシーを起こしたことのある患者さんにはエピペンを処方しています。
それが当たり前のはずなのですが、今回の患者さんにはアナフィラキシーの既往がありながら、エピペンはおろか、内服薬さえも処方されていませんでした。それで「医院に飛んでこい」ではとんだ“患者指導”だと思っています。
当院で、エピペンを処方したのは言うまでもありません。その一方で、負荷試験を行ないました。卵でアナフィラキシーを起こしたことンがあるのですが、卵を少なく含む加工品程度なら摂れるかもしれないと思ったからです。
遠路遥々負荷試験に来て頂き、加工品は食べられることが分かりました。それは食べてもらうよう「患者指導」しています。最近は食べ慣れることで、もっと食べられるようになる可能性が示されています。
今度、卵焼きで負荷試験をやる予定になっています。食べられるかどうかは、やってみなければ分かりませんが、このように「誤食時の対応」と同時に「負荷試験」を進めるのが専門的なやり方だと思っています。
患者さんを正しく導くのが「患者指導」だと思いますが、専門医とそうでないとこうも違うということを覚えておいて頂きたいと思っています。


