先日、あるお子さんに小麦の負荷試験を行いました。
最近、当院に来られたばかりでしたが、うどんを少量食べて、じんましんと咳が出たというエピソードをお持ちで、近医を受診し小麦の値が陽性でした。
どのように食事を進めていったらよいか分からずに当院を受診されました。いつものパターンで、検査を受けたのは他の小児科でしたが、まともに相談もできず、それなら紹介してくれればいいのですが、そういう発想もなく、困り果てて口コミで当院を受診されています。
例えば溶連菌感染症なら、医師からキチンと診断してもらい、特効薬である抗生剤を飲んで回復を待つということになります。じきに改善してしまうので、本人も親御さんもそう苦ではないと思います。ところが、食事にかかわることは、毎日口にしなければならず、成長や発達に関わります。しかもいつ治るか分かりません。自然に任せるには無理があり、プロである小児科医がキチンとアドバイスをしてあげるべきなのです。
その場合、負荷試験は避けられません。食べて症状が出たエピソードから時間が経っていれば、治っているかもしれないし、治っていないにしても、どれくらい食べられるのかを示してあげる必要があります。その上で、どう食べ進めていくかをアドバイスすることになります。
このプロセスを軽んじて、適切なアドバイスから逃げ回っている医師はとても多く、専門医に紹介すらしない姿勢は大きな問題と言えましょう。
この患者さんは、うどんがどれくらい食べられるかを評価するために負荷試験を行ったのですが、残念ながら途中でじんましんと咳が出てきてしまいました。
最近は、食べて慣れさせることが大切とされ、よほどのことがない限り、完全除去にはしません。今回の結果を踏まえ、小麦のクラッカーが1枚程度なら食べられるのではないかと考え、この患者さんには、そういう指導をしました。
親御さんも理解して下さり、帰り際に「クラッカーを買って帰ります」とおっしゃっていました。
完全除去を安易に指導する医師が多い中、専門医とそうでない医師の間に大きな医療レベルの格差があり、場合によっては後の食べられる、食べられないに差が出てきてしまうかもしれないのです。
上越市周辺では、他院の指導がおかしいと気付くと、当院を受診される方も少なくありませんが、県内の他の地域では、なかなか専門医へのルートが閉ざされているようです。
こういう格差も減らしていかなければいけないと思っています。


