20日に小児アレルギー学会の記念イベントに参加してきました。
食物アレルギーのパートで、負荷試験を実施する施設が世界トップであろうという話が出ていました。もう少し具体的な数字も出ていたので、それはそれで誇るべきことなのかもしれません。
少し前の論文で、日本全国の負荷試験の充足率が6.4%なんて言われていました。敢えて言えば、それで世界トップと言われても、ちゃんちゃらおかしいと思ってしまいます。せめて20~30%とか、学会側はもっと数字として目標を明確に打ち出すべきだと思っています。
現状では、日本の名だたる専門病院は相当数の負荷試験を行っています。例えば、そういうところが今の10倍くらいの件数をこなせば、6.4%という充足率は跳ね上がるだろうと思います。大した根拠はないのですが、それでも目標には到達しないと思います。そもそも10倍の件数なんてこなせるはずもなく、専門病院の先生方は疲弊してしまうと思います。
専門病院の先生からすると、病診連携(診療所から病院に紹介すること)の強化なんて言って、専門病院に患者さんを紹介してもらうということを考えていますが、開業医からすると、食べないよう言っておけば症状は起きないため、消極的ながら自分の責任を果たした気になれると思っています。当院はそれなりの件数負荷試験をこなしていますが、99%が患者さんの自主来院で、開業医は紹介したがらないことが多いのです。食物アレルギーに関しては、そういった“風習”があります。
私が考えているのは、負荷試験をやれる医療機関を増やすこと。開業医であっても、軽症中心であれば、負荷試験は可能だと思っています。実際、やっているし(笑)。
「リスクのあることはやりたくない」とか、「これまでのやり方(除去を指示)で十分」という医師は、残念ながらとても多いのが現実ですが、負荷試験をやりたくても一歩を踏み出せないという真面目な先生がいるのも確かです。
学会側は「紹介して下さい」と言うのみです。「リスクのあることを肩代わりしてあげるんだから、紹介するのは筋」と考えているようですが、確かに正論です。ただし、皆がそんなに良心的で、責任感のある開業医ばかりではありません。それは、新潟の地で十二分に体験済みです。悲しい現実と言えましょう。
今年は7回学会で発表予定ですが、そのうち4回は終わりました。いずれも外来でも可能な負荷試験のやり方を紹介する内容です。残念ながら、学会側にはこういう発想があまりないようです。確かに開業医は、風邪など軽い患者さんでごった返すことも多く、負荷試験なんてなかなかやれる状況ではありません。
ただ、「リスクの低い負荷試験の方法を教えてもらえれば…」という先生はいるのも事実です。学会側は、もっと幅広く負荷試験の充足率を上げる努力をすべきだと思っています。私には6.4%で世界トップですと言われても、ピンとこないのです。
開業医に負荷試験をさせようという発想を持って活動している医師はほとんどおらず、そういう意味では、この点に関しては先端のことをやっているのかもという気持ちはあります。
こういう提案を学会側にアピールし始めたところですので、もっと継続すれば私の「声」が少しは届くのかなと思っています。


