小児科 すこやかアレルギークリニック

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2015年07月23日 更新

水曜午後は、講演の日と決めています。

お陰さまで、3月から1日も休むことなく水曜午後は講演となっています。日本アレルギー学会の発表や医師会の講演もありましたが、それ以外は園や学校に直接出向いてお話ししてくることがほとんどです。

昨日は隣街の園をハシゴでした。ハシゴとは、1日に2施設回ることです。4月にもありましたが、来月もあります。1回1時間半くらいかかりますので、ハシゴの場合は3時間。1日の8分の1をしゃべり続ける訳で、意外と体力を使います(汗)。

昨日伺った2カ所の園はいずれも私の患者さんが通っていて、エピペンを預かってもらっています。そういうところにエピペンの使い方だけでなく、食物アレルギーの基礎知識も説明してきますが、それと同じくらい大切なのは、その患者さんの病状を説明できることです。

例えば、少し前にも触れましたが、ミルクアレルギーのお子さんで、ミルクがクラス6でした。赤ちゃんでもありませんが、牛乳完全除去だと陥りやすいカルシウム不足を懸念し、アレルギー用ミルクで使えることを負荷試験で確認しています。そういった患者さんに関する情報も園に先生方にお伝えできるのです。

多くの小児科医が「食物アレルギーくらい、オレだって診れる」と思っているでしょうが、“診る”というのは食物負荷試験は欠かせませんし、治療、管理である「必要最小限の除去」を実践することであって、ただ単に「除去して、待っているだけ」のことを“診る”と言ってはいけないと思います。

実際、専門医は大勢の食物アレルギーの患者さんを診ているため、エピペンの処方は多くなりますし、多分日本の小児科医の多くが1本もエピペンを処方したことのない医師だと思います。つまり、二極化している訳です。

ですから、私のような自分が処方したエピペンを持っている子どもの通う園や学校に行くという“当たり前”の活動は、専門医は多過ぎて回れない、非専門医は処方もしてないので、その必要がないという状況です。

確かに有名な先生ですと、県外から受診されることもあり、行きたくとも行けない状況なのかもしれません。当院は、富山県や長野県から受診もあり、「行くので勉強会をしましょう」と園に提案しています。エピペンを処方していないせいもあってか、実現していませんが、私は県外であろうが行くくらいの覚悟はあります。

やはり、エピペンを処方することに責任を持つべきでしょう。私が園や学校に直接出向くのは、自分の診ている重症な患者さんを園、学校で預かってもらっているので、エピペンをいざという時につかってもらわないと困るからです。患者さんを守るためです。

エピペンを処方しっぱなしというのは避けなければいけないと思います。ニュアンスは異なるのですが、逆に専門の医師ほど、そういう状況になっていると考えることもできます。

となると、多く処方している有名な先生は、県外に処方している場合は、その地域の専門医に「自分の代わりに説明に行ってもらえないか」と頼むくらいの姿勢は必要なのだと思っています。

エピペンは重症なお子さんを守るために使いますが、園や学校側が「使い方が分からない」、「怖くて使えない」と言っているようでは、子どもは守れません。主治医として子どもを守るには、園や学校に説明に行くことも含んでいると考えています。

なかなかそう考える人は少ないようで、そういう発想を専門医も含めて、多くの食物アレルギーに携わる医師が持った方がいいと思っています。