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ピーナッツはどこから
2015年08月19日 更新

昨日は、オルセー美術館に行きました。

また地下鉄を利用しましたが、今度は、スリに遭いそうにもなりませんでした(笑)。さすがに世界で最も観光客の多い街パリだけあって、美術館前で30分ほど待たされました。

待っている間も、iPhoneに22日の講演の構想を書き続けていました。日中はいろいろと歩き周り、結構疲れるため、夕食が終わるとバタンキュー。意外と準備が思うように進みません(涙)。

オルセー美術館で超有名なのはミレーのこの「落ち穂拾い」でしょうか。麦畑で収穫の際に落ちた穂は貧しい人のために拾わないというルールがあり、それを拾い集めているそうです。そう聞くと、切なさがこみ上げてくる絵だと思います。

アメリカでは、ピーナッツアレルギーでアナフィラキシーショックを起こし、年間50人くらいが亡くなっているという話を聞いたことがあります。ピーナッツアレルギー対策が急務で、以前のアメリカのガイドラインでは、母親は妊娠期間中にピーナッツはなるべく避けるように言われていました。

でも、のちに根拠の薄いことが判明し、その縛りは取り払われました。要は、成す手なしというような状況だということなのでしょう。

そこに救世主的存在が現れます。イギリスの小児科医ラックという人です。

彼はピーナッツアレルギーの原因を調査したことろ、母親の妊娠期間中のピーナッツの除去は、ピーナッツアレルギー発症に影響を及ぼしていないことが分かりました。精査の結果、ピーナッツオイル配合のスキンケア製品の使用が高率にピーナッツアレルギーを引き起こしていることを突き止めたのです。

つまり、乳児期の湿疹に対し、それに対しピーナッツオイルを含んだスキンケア製品を塗ることで、ピーナッツアレルギーを発症しているのではないかと、誰も思いつかないような理論を打ち立てたのです。

その後まもなく、日本でも茶のしずく石けん騒動が起こり、皮膚から食物が入ることで、食物アレルギーが引き起こされることが現実に起こることが分かってきたのです。それ以来、一気に経皮感作に関する研究が花盛りとなり、皮膚科や小児科、耳鼻科などの医師たちがこぞっていろいろと研究を進めているという状況になっています。

私も興味を持って研究の行く先を注視していますが、分野が違えばご存知ない先生も多いと思うので、こんな話も講演の中に組み込もうと思っています。

パリ観光を楽しみつつ、講演の準備を進めている、そんなところです。