一昨日の水曜の午後に隣の街に講演に行ってきました。
昨日も触れたように、学童保育の指導員が全員参加できるように2回に分けて行われ、昨日は2回目でした。1回目は6月でしたので、大幅には内容を変更できません。
それでも2枚だけスライドを追加してしまいました。
そのうちの1枚は、重症児に対しても負荷試験をやっているということ。
卵やミルクがクラス6であっても、稀に食べられることはありますし、以前アナフィラキシーを起こしていても、徐々に治ってきているかもしれません。となると、一定期間ののち、「少しは食べられるようになっていないか?」、「まだ完全除去を続けないといけないのか?」という思いで負荷試験に挑戦しています。
講演の数日前に、ミルクが6の小学生に負荷試験を行っています。その話を付け加えました。とても重症なお子さんのため、牛乳を不用意に数ml飲ませると一気にアナフィラキシーに至ったしまうことが容易に想像できるため、当院得意の加工品を用いました。
具体的には、じゃがりこというお菓子なのですが、1本をさらに折ってそれを食べさせます。開始してまもなくじんましんが出てきて、とても残念ですが中止になってしまいました。
もともと微量を含む食材を使ったため、じんましんと軽い咳で済みました。除去の継続が基本であることが十分理解できました。お子さんからすれば、やりたくない検査だったかもしれませんが、親御さんや学校側にはまだまだ気を抜けない状況であることが分かりました。
これまでの講演の中で、調布で起きた死亡するようなケースであっても、負荷試験は必要だという考えを述べてきました。本人はもちろん、普段食事を管理している親御さんでさえも、微量で強い症状が出るのか、それとも意外と食べられるのかくらいは把握しておくべきだと思っています。
とても重症ならエピペンを持っていない方が、患者さんは危険にさらされるし、親御さんも学校側もいざという時の武器を持っていないことになります。
重症だと、長年の除去に慣れてしまうし、負荷試験もせずに漫然と除去を継続することになってしまいます。最近は、改善除去を続けている方が、食べ物に対し過敏性が強くなる可能性すら指摘されており、ある程度挑戦することが必要というのは、専門医の共通した認識だと思っています。
開業医の場合、患者さんがアナフィラキシーを起こしてしまえば、診療は完全にストップし、患者さんの治療に専念しなければなりません。入院が必要な場合は、紹介先の病院に電話でお願いし、紹介状も書いた上で、状況によっては医師が救急車に同乗することもあるかもしれません。
そう考えると、ほとんどの開業医が「負荷試験なんてできない!!!」と思うのでしょう。新潟県では一番初めに負荷試験をやり始めたため、重症でも対応せざるを得ず、なんとか工夫して対応してきましたが、それがこういう方法な訳です。
食物アレルギーは多く食べると強い症状が出て、少なめだとそこまでの症状はでないことが多いので、少ない量を食べさせて、“探りを入れる”ようなやり方でも十分状況を理解できると思っています。
タイトルの重症だからこそ、評価のための負荷試験は必要で、このようにすれば大きなリスクを負うことなく、対応ができるのだろうと考えています。


