小児科 すこやかアレルギークリニック

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2015年11月10日 更新

先日、東京の勉強会に参加してきたと言いました。

長引く咳についても話がありました。アレルギーをやっていると、もちろん、ぜんそくも診ることになります。ぜんそくは長引く咳の代表格ですから、咳が長引いている時に、ぜんそくかどうかを見極める必要があります。

ぜんそくである場合もあるし、ぜんそくでない場ありもあり、そうならばどういう病気かを判断することが大切です。そういうことを日常的にやっているため、今回の勉強会では知識の確認というつもりで聞きました。

聞いてみて、ちょっと驚きました。長引く咳にはいろいろな原因がある訳ですが、二つの検査を組み合わせて診断していこうという方向性が示されたのです。

具体的には、プリックテストと呼気一酸化窒素(NO)濃度という検査です。プリックテストという皮膚テストは食物アレルギーでもよく用いますが、多くの小児科医がやっているかというと、そうではありません。ほとんどの医師がやっていない検査です。

また、呼気NO濃度も、私自身も興味があり、やってみたいと思っていますが、まだ導入していません。これこそ普及しておらず、プリックテスト以下の普及度と言えます。つまり、めったに検査できない検査と言えるでしょう。

話された先生は、私の面識のある呼吸器の第一人者の先生なので、もちろん熟慮された上で、長引く咳を区別できる方法を組み立ててくださったのでしょう。ケチをつけるつもりはないですが、プリックテストと呼気NOを同時に測れる病院は全国的な専門病院くらいではないでしょうか?。

今回の勉強会の参加の多くは開業医でしょうから、測定すらできず、病気の区別もできないということになります。これはちょっとまずいですよね…。ガイドラインって、そういう専門病院の日本の第一人者の先生が集まって作成するので、開業医のレベルと乖離がみられることがあります。食物アレルギーなどもそういうところがあります。

検査の組み合わせで病気を区別するという発想は画期的で、それこそ大して詳しくない医師でも数字はウソをつきませんから、正しく診断できることにつながります。しかし、その恩恵にあずかれるのがそういう設備を持った病院のごく一部の医師ということならば、意味がないと思っています。

さらに、プリックテストは低年齢でもできますが、呼気NOは乳幼児では測定がまずできないでしょう。お子さんの長引く咳で心配して受診するのは、低年齢も多く、やはり実用的ではないような気もします。

ちなみに、私は長引く咳はプリックテストは行っていません。問診のみである程度は区別できると思っています。あとは、今回は出てきていませんが、呼吸機能検査も行うことがあります。ただ、これも低年齢ではできないというデメリットがあります。

結局は、問診が基本と言えると思っています。しかし、長引く咳で他院にかかっていて改善せず、困り果てて受診される患者さんは、前医から大した問診すらなく、「咳」=「風邪」と判断され、効かない風邪薬が出されていることが多いように思います。

「咳」は小児科を受診する主原因だと思いますが、「長引く咳」で困っている患者さんが救われる日はまだまだ遠いようです。