よその小児科も一緒だと思いますが、一般診療の他にインフルエンザの予防接種が加わるため、この時期は忙しいです。
もちろん、患者さんの症状を良くするために頭を使いますが、大勢に対応するとなると、まさに体力勝負って感じです。
そんな中、食物負荷試験も実施しています。昨日も、牛乳を200ml飲み終えたら、じんましんが出てきたりと、時折症状が出てしまいます。でも、それはそれで親御さんに“現実を見て欲しい”と思っています。アレルゲンを摂ると症状が出てしまうため、除去が必要であることをキチンと理解していただきたいのです。
それをデータ化して、形にしたいと思っています。実際に、今週末もそうですが、学会発表に使用しています。
開業医が軽そうな食物アレルギーの患者さんに対し、負荷試験はやるべきだと思っていますが、残念ながら責任を負いたくない医師があまりにも多く、現在の日本の食物アレルギー事情は、こういう責任回避の結果だと思っています。
ただ、専門病院は「紹介してくれ」の一点張りで、軽症への対応の仕方を開業医に教える訳でもないので、その辺はもしかしたら、“私の仕事”なのかもしれないと考えています。
しかし、負荷試験の方法を知らせても、実際にやってくれる医師と、それでもやりたがらない医師がいます。後者が大半だろうと思っています。誰も率先してリスクを負いたくないからです。しかも、新しいことに取り組むことに抵抗のある人もいるようです。それでも、一部の真面目な医師のために、広めたいと思っています。
忙しい診療の中、学会の準備までやらねばならず、“しなくていい苦労”をしているのかもしれません。それは、「(日本のために!?)ここでやらねば」という気持ちが支えてくれているように思います。
それだけでも、他の同業者よりは十分忙しいと思うのですが、実は他のこともやっていたりします。夏に虫除けスプレーを使用したらアレルギー症状を呈した患者さんを経験しました。何度か症状がみられており、虫除けスプレーが悪させているのは間違いないと考えており、それを証明するためにどうしたらいいかと考えました。
これは一開業医では無理なので、アレルギーがご専門の大学教授の先生に依頼し、殺虫成分の薬品を取り寄せ、皮膚に接触させ、症状が出るのか検査を行っています。日本では同様のケースは皆無ではないものの、極めて少ないと思われ、そういう患者さんを経験した主治医として、立証する必要があると考えています。
また、新しい薬のモニターとして、メーカーに患者さんのデータを提供する仕事もしています。「ゾレア」という抗IgE抗体の治療です。難点は非常に高い薬なのですが、アレルギー体質の強いお子さんに注射すると、体の中でアレルギーを起こしにくくなり症状が軽減するという素晴らしい治療薬です。
現時点で重症ぜんそくのお子さんに限られますが、学会などでも非常に有効な治療法としての位置づけです。私も使ってみたいと思っていましたが、一人使用しています。まだ始めて間もないのですが、ぜんそく症状が出にくくなっているようです。医療費がかかることがクリアできれば、救われる患者さんは多いと思っています。ちなみに新潟県内では、ほとんど使われていないようです。そういう先進的な治療にも首を突っ込んだりしています。
当院は、田舎の一開業医であり、平々凡々と診療している選択肢もあるのですが、アレルギーにこだわって診療し、市外からも多くの患者さんから頼りにされているようです。その期待に応えたいと思っており、原因究明や最新治療も手掛ける立場にあると考えています。
開業医という生き方は、医師の心構え次第でどうにでもなるのかなと思っています。


