外来で、時々ラーメン屋を例に話をすることがあります。
近くに新しいラーメン屋ができて、入ってみようとすると、だいたい「アタリかハズレか」と考えると思います。ラーメンって個人の好みが大きいと思いますが、「また食べに来たい」と思う場合と、「もういいかな」と思う場合があります。要は、最初から自分にとってハズレの場合を想定しているのだと思います。
ところが、医療機関を受診する時は「ハズレだろうか?」なんて疑いませんよね?。そこに大きな問題があるのだろうと思います。
いつも言っているように、アレルギーはかなり“誤診”が多いのです。正しく診断できなければ、適切な治療に導けません。ぜんそくが隠れているのに“風邪”という小児科医はとても多いですし、明らかなアトピー性皮膚炎なのに“乳児湿疹”という小児科医、皮膚科医はビックリするくらい多いのです。
過少に診断されている分、治療は適切でなくなり、症状は一向に改善しないといういつもの話です。近隣の医療機関で治療しても良くならないと、当院にサクッと鞍替えする患者さんも少なくなく、前医は自分が治したものと思っているので、何十年も“誤診”を続けているという感じです。
“医師は信用されるもの”と医師自身が高をくくっており、敢えて言えば、その信用にあぐらをかいているとしか思えない医師もいるようです。何度も受診してくれるので、医療収入は上がってしまい、困っているのは患者のみという、とてもおなしな状況が全国各地で繰り返されています。
少し前に、家族で焼肉屋に行きました。注文したものの中にミノが紛れていました。ミノは頼んでいないので、指摘すると店側のミスであることが分かりました。ミノは引っ込みましたが、当然のことですよね?。
ぜんそくなのに“風邪”、アトピー性皮膚炎なのに“乳児湿疹”なんて、お店での注文ミスと同じことだと思いませんか?。注文していない内服薬や塗り薬が出てきて、それにお金を払っていることとまさに同じことでしょう?。それは「ノー」と言っていい訳です。ラーメン屋で言えば、味噌ラーメンを頼んだのに、餃子定食が出てきて、「え~!?」ってなったようなものでしょう?。
日頃から行われているのは、それを「餃子定食も食べたかったんだ」と我慢して食べているのと同じです。そういう意思を示せば、そこで契約終了になってしまいます。医療も、“お医者さんが間違うことをするはずがない”という先入観が、患者さんの正常な判断力を邪魔しているのだと思うのです。
当院は、市外からの受診も多く、場合によっては県外の方も、実家に帰った際に相談に寄るなんてこともありますが、かなりの割合で“誤診”を目にしています。注文通りでない“お店”がいかに多いかということを実感しています。
ある患者会の方が、アレルギー診療をクジに例えていました。やはり、医師にはアタリ、ハズレがあるという意味です。注文間違いを繰り返すラーメン屋って、また行きたいですか?。その時、最も食べたいと思うものを食べたいですよね?。
残念ながら、私の目から見てアレルギーを軽んじているとしか思えない医師が多く、頼んでもない薬が出てくる小児科、皮膚科は多いと言わざるを得ません。今回、ラーメン屋という例を出し、真面目にラーメン道を極めようと一生懸命やっている方には申し訳ないのですが、しっくりくる例ではないかと選ばせていただきました。
注文ミスを繰り返す医療機関には、ノーという勇気も必要だと思っています。


