小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

左の方の本
2015年12月18日 更新

昨日、2冊の本を紹介しました。

左右並べて、右の斎藤先生の書かれた本の方が一般の方を対象にした内容のため、そちらの方をお薦めしました。医師であれば、迷わず左の栗原先生の書かれた本を読んでいただきたいと思っています。

食物アレルギーは、食べて発症するのではなく、“経皮感作”から導かれ、完全除去とされてきた従来の方法とは逆に、食べた方が治す方に働くということが、「これでもかっ」ってくらいに出てきます。

対応として、アトピー性皮膚炎を早期に診断し、ステロイド軟膏を使って、“経皮感作”をブロックしつつ、早期から少しずつ食べさせていく方向性が、何度も出てきます。

具体的に経験された症例について触れられていて、乳児のうちに卵や小麦が検査陽性になっていて、そういうケースでも食べさせると書かれていました。日本の現行のルールでは、負荷試験は0歳ではしない、1歳になったらということになっているはずですが、それさえも覆されることになるのかもしれません。

ちなみに、当院では、ルールに則り、1歳になった途端に負荷試験を行っています。こういう動きは知っていたため、11ヶ月くらいで負荷試験をやることもありますが、さすがに6、7ヶ月では食べさせてはいません。それが間違った指導かもしれず、かといって一開業医が現行のルールから大幅に外れたこともできず、ジレンマに陥っています(汗)。

先日は、まだ乳児で卵がクラス6の赤ちゃんがいましたが、さすがに除去と言ってしまいました。すでに卵ボーロで症状が出ているので、間違った指導はしているつもりはありません。「1歳になったら、何かしらの形で負荷試験をやりますからね」と親御さんには伝えています。

栗原先生は、日本でもかなり先進的なことをやられていますが、ずっと以前から「食べて治す」方法を主張されており、それを実践されています。完全除去を指導する医師は未だに多いが、それではいけないと何度も書かれています。

食物アレルギーは少し前まで、「疑わしきは全て除去」という手法が用いられてきました。卵アレルギーがあれば、鶏肉や魚卵も除去なんて言われていました。食物アレルギーに関心がなく、ずっと勉強すらしてこなかった医師からすれば、目が飛び出してしまうような状況でしょう。

栗原先生の本を読んでいると、NHKの番組名じゃないですが「その時、歴史は動いた」って感じはしますね。しかも、従来言われてきたこととは、怖いくらいに真逆に…。

除去がかえって、食物アレルギーと作り出すとすら言われており、この辺は是が非でも避けたいところです。これまでも当院の取り組みとして、1歳になったらすぐに卵や乳は加工品を用い、負荷試験をやっていました。「とにかく食べさせたい」一心でやってきたことですが、結果的には先進的なことをやっていたことになります。自分のやっていることが、医学的に証明されたことは嬉しく思っています。

一般医向けのガイドラインは、すぐにはこの動きに追従できないでしょうが、食物アレルギーにこだわっている専門医として、もう少し栗原先生の取り組みに追従できるよう工夫しようかと思っています。