本日より、診療が再開となります。
私にとっては「待ちに待った」と言えましょう。家にいても、診療していないと何か落ち着かない気がします。
幸いというか、当院はアレルギーで困っている患者さんがほとんどなので、自分の得意分野で勝負できています。家族を養うための生業でもある訳ですが、診療は嫌々やらされているということもなく、好きでやっており、言わば趣味の一部みたいな感じです(笑)。
1年前の年末は家族でお出掛けをしましたが、今回は31日に休日診療所の仕事があったため、子ども達を映画やプール、本屋に連れて行く以外は、家にいたという感じです。お陰で、カルタとコマ回し、だるま落としなどお正月らしいことができました。そうそう、昨日は風が強かったため、息子と凧揚げをやりました(画像)。凧揚げなんて何十年ぶりだろう?。
6日間お休みをいただきましたが、勉強という意味では、多少本を読む程度でした(汗)。
昨年末に紹介した栗原先生の書かれた本を読んでいますが、勉強になります。当院でも昨年、運動負荷試験をやり、アナフィラキシーショックを経験しましたが、確かに食物アレルギーは血圧が低下し、生命の危機的な状況に陥る怖い病気であることは間違いないと思います。
ただ、患者さんにも言っていることですが、日本のルールでは0歳では負荷試験はしないとなっています。1歳になったら行うということなのでしょうが、この点はどうなのでしょう?。当院でも、そのルールに沿って負荷試験を行うタイミングを決めてきました。
0歳は体が弱いから無理はしないという説明でいいのでしょうか?。1歳になると園に通い始める子も出てくるでしょうし、いろいろなものが口に入るようになります。0歳よりも体は強くなっているのは確かでしょう。
食物アレルギーの年齢分布を見ると、0歳が最多で、1歳、2歳と徐々に減少していっています。もし、0歳が体が弱いのだとしたら、しかも頻度が高いこともあり、食物アレルギーの死亡例も少なくないはずです。
ところが、0歳での死亡したケースってまず聞きません。栗原先生の書かれた本にこんなデータがあります。
イギリスでの1992年から2012年までの21年間でのアナフィラキシーの入院、死亡例を検討した報告では、アナフィラキシーの件数は6倍に増加しているものの、死亡件数は変わっていないとのことです。入院例は0~4歳に多いが、死亡は10歳代が最多であったと報告しています。他にも似たようなデータが提示されていました。
厚労省のデータによると、日本では食物アレルギーの死亡件数は1995年から2014年までで0~5件となっています。これは大人も含めてのものです。
本の中でも、食物アレルギーは怖い病であるが、怖がりすぎるのもどうかというような記載もありました。確かに、死亡を念頭におき、不安で不安でとおっしゃる赤ちゃんを持つ親御さんも多いですが、特に低年齢では皆さんが思い描いているイメージよりは、命を落とす可能性は極めて低いと言えそうです。
近年、重症例が増えたのは、改善除去を続けている患者さんが多いからではないかと言われています。アレルギー検査の数値が陽性だったりして、医師からもきつく除去するように言われており、だから食べないとおっしゃる患者さんも多いですが、怖がりすぎて、変な言い方、逆に自分の首を絞めてしまっているのかもしれません。
当院でやっている加工品を使った負荷試験は、規定量を食べたら終了しており、どこまで食べられるかという閾値が分からないことも多いです。「そんなの負荷試験じゃない」とおっしゃる専門の先生もいることでしょう。
ただ、ギリギリまで攻めた負荷試験をしてアナフィラキシーを起こしていては、患者さんや親御さんがより不安に駆られてしまうことになります。食べられればいいのですが、症状が出ては、意外とマイナス要因も多いのではと思っています。
当院のやっている方法を負荷試験と呼びたくない先生には、「食べられることの確認試験」という言い方をしてもいいと思っていますが、こうすることで少し食べられることを知り、安心して食べ進めてもらえる有効な方法だと考えています。
食物アレルギーの考え方、捉え方がここ最近だいぶ変化してきていますが、当院のやっている負荷試験が間違っていないというか、患者さんに寄り添ったものであるという気持ちが強くなってきています。
今年もこの方法で、多くの患者さんに安心を提供できたらと思っています。



