学童保育、児童クラブというシステムがあります。
私が子どもの頃は、こういうものはなかったはずですが、ウィキペディアによると「主に日中保護者が家庭にいない小学生児童に対して、授業の終了後に適切な遊びや生活の場を与えて、児童の健全な育成を図る保育事業の通称」と書かれています。
もちろん、子ども達をみている大人も必要な訳で、指導員と呼ばれる大人がついていることになります。これは保育士や教員職員免許状のような国家資格ではありませんが、本年度から「放課後児童健全育成事業の整備及び運営に関する基準」に基づき、放課後児童支援員の資格認定研修が始まっています。
新潟県でも、このシステムを導入したそうで、先日県庁の担当者経由で講師依頼のお話をいただきました。
自分で言うのも何ですが、適任だと思っています。この研修のテキストを見てみると、預かっている子どもが病気になった時の対応も含まれていますが、やはり食物アレルギーが大きく取り上げられています。3年前の東京調布市での死亡事故がきっかけとなり、食物アレルギー対策が学童保育でも注視されていることはいいことだと思っています。
なぜ自分を適任と言ったかと言えば、私が主治医をしている患者さんが学童保育でアナフィラキシーショックを起こしたという経験しているからです。こういう経験している小児科医は、まだまだ少ないかと思っています。
2年半前のことになりますが、学童保育で誕生会をやることになっていました。私の診ている卵アレルギーが重症で、エピペンまで持たせているお子さんが、ケーキを食べることになっていました。もちろん、卵のたっぷり入ったケーキは食べられませんが、ある店で販売している米粉のケーキなら食べたことがあります。ということで、親御さんはそのケーキを買って与えてもらうつもりでした。
その時、指導員が購入したのが甘さ控えめのケーキで、残念ながら卵はたっぷり使われたものでした。小学2年生のお子さんは、食べていいと言われ、たいらげました。その20、30分後にアナフィラキシーを起こしてしまったのです。
先に述べたように、この子にはエピペンを処方していましたが、学童保育側は卵アレルギーがあることを把握していたのみで、エピペンのことすら知らない状況でした。2年半前は、指導員でさえも対応しなければならないという風潮ではなかったため、仕方ない部分もありました。
アナフィラキシー症状を呈して、あわてて親御さんに電話をするのですが、エピペンの話が出ましたが、チンプンカンプンです。救急車を呼んでとの依頼にも躊躇されたそうです。母が急いで迎えに行き、病院に駆け込みましたが、ぐったりし、呼吸困難もあり、手足が冷たい状況だったそうです。
お分かりの通り、相当ヤバい状況でした。アナフィラキシーショックの診断のもと、対応してくれた小児科の先生の的確な処置もあり、翌日には退院しています。私も主治医として、ホッとしています。
当時、私も指導員がエピペンを使用する必要があるのか、よく分かりませんでした。日本の第一人者の先生お二人にメールを送ってみましたが、学校と同様の対応という回答をいただきました。それ以来、各行政で食物アレルギーの講演以来があった場合、指導員も参加対象にしていただくようにしています。
そういった苦い経験や他に先駆けて活動を行ってきたので、今回のような場合、私の出番だろうと思いましたし、実際お声がかかり、うれしく思っています。
授業は、来月に予定されており、日程も決まっています。ただ、食物アレルギーの話だけをすればいい訳ではないのかなと思っています。学童保育の際の緊急事態の対応の話を求められているようです。
昨日、急遽新潟市の本屋で参考になる本を買ってきました。その本によると、子どもの不慮の事故での死亡という点では、乳児や幼児では溺死や窒息が多いようですが、学童くらいになると交通事故の割合が一気に増えます。ついで溺死ですから、食物アレルギー対策が重要項目のひとつと言えそうです。
ということで、食物アレルギーを中心とした話をすることで問題はないようです。依頼された任務をしっかり果たそうと思っています。


