先日、ご指名で中学生が当院を受診されました。
特にアレルギー体質もなく、食物アレルギーもありませんでした。昨年秋に魚のブリを食べて、強いアレルギー症状を起こしたそうです。
症状が強かったため、救急外来に駆け込みました。血圧も低下しており、エピペンと同成分のアドレナリン注射を使って治療されたとのことです。
治療の甲斐あって、症状は軽快したものの、肝心なのはその原因です。ここまで強い症状を起こした訳ですから、原因を特定しないと命がいくつあっても足りないことになります。
治療してもらったのは有り難いのですが、原因検索の話は一切なかったそうです。変な言い方、確かに医者にとって原因はどうでもいいことなのかもしれません。ただ、患者さん家族にとっては、原因を特定してもらわないと、また同じ目にあってしまいます。
結局、かかったことのある皮膚科に相談に行ったそうです。学会に行くと大人の食物アレルギーの講演をされるのは、皮膚科の先生が多いのですが、新潟県で食物アレルギーの詳しい皮膚科医っているのでしょうか?。
今度触れようと思っていましたが、アナフィラキシーを起こし皮膚科に駆け込んでも、まともに対応できない医師もいるし、食物アレルギーの原因検索に1ヶ月の入院が必要なんてウソをつく医師すらいます。これって新潟県特有の現象でしょうか?。
アレルギー採血が行われました。今回は魚ということで、アレルギー検査の魚の項目全てが調べられていました。ただ、今回の原因であろうブリは項目がないので、調べられないということでした。
結果は、キレイにすべて陰性。結果を聞きに行ったところ、「原因はなんだろうね~」ということだったそうです。こんな対応を目の当たりにすると、やはり医師にとって原因ってどうでもいいことなんだろうと思ってしまいます。それが証拠に、それ以上の精査もなく、専門医への紹介もありませんでした。
アナフィラキシー症状を呈し、血圧まで下がっているにもかかわらず、原因検索がなく、エピペンの対応すらされていません。二人の医者に相談していてもです。もはや、医師のモラルの低下は、留まることを知らないようです。
少しでも良心があれば、紹介状を書き、専門医を受診することで、返書によって原因を知り、「こういう風に診断すればいい訳ね」と自分の知識を高めることができますが、それもなく、またアナフィラキシーを起こした患者さんを診察しても「何だろうね~」で終わってしまうんでしょうね。
この程度なら、私はお金なんてもらえないと思うのですが、それでも医師の元には医療費が支払われます。いつも言っているように、医師は何をしても利益が上がるようにできているので、きっとのこの医者は何も感じていないのでしょう。
結局、学校側の勧めもあり、当院を受診されました。最近は、学校からの紹介が目立ちます。そりゃそうでしょう、学校もアナフィラキシーの原因を知らないでは、何の対策も取れないことになります。結局、患者家族と学校が原因を知りたがり、医者は“蚊帳の外”みたいな感じでしょうか。
もちろん、診察時に症状が出ている訳ではありませんから、問診が重要になります。よくよく聞いてみると、秋以降ブリを何度か食べています。
最初の時はアナフィラキシーショック症状でしたが、ブリの刺身一切れでは何も起きませんでした。また冷凍保存のブリを食べて症状が出ているようです。
昨日から読んでくださっていれば、勘のいい人は察しがつくかもしれません。アレルギー体質なし、ブリ(いろんな魚の中でブリのみ除去している)、少量で症状がなく、多く食べると症状が出る、冷凍保存などを考え合わせると、昨日提示した福島県のサンマのすり身と同様に、ヒスタミン中毒が起こっている可能性を考えるべきでしょう。最初の時のブリの鮮度が気になりますが、よく分かりませんでした。
採血項目ではブリはないのですが、プリックテストという皮膚テストには薬液としてブリはあります。調べてみると、ちょっとだけ腫れました。これだけみればブリにアレルギーがあるもかもしれませんが、原因でないのに腫れることもあり、これだけで原因は特定できません。
患者さんと学校のために、精査を行おうと思っています。考えている方法は、新鮮なブリを使って負荷試験を行うことです。ヒスタミン中毒の場合、鮮度が高ければ症状が起きず、鮮度が落ちて魚の中にヒスタミンが増え、それを食べることで症状が起きます。新鮮なブリを食べて何も起きないことを証明すればいいのかなと思っています。
もちろん、強いアレルギー症状を起こすリスクはあります。しかし、このケースでは一肌脱いで、負荷試験をやるしかないだろうと思っています。
患者さん家族の期待を背負い、学校側に信頼で応えるには、ここで「何だろうね~」なんて有り得ないのです。その一方で、どうしようもない医者が少なくないことを認識していただきたいと思っています。一人の医者が分からないと言っても、みる人がみれば解決の手順を知っているなんてことは沢山あります。それくらい医師間の知識や技術、さらにモラルの差は歴然としています。
近々、精査をすることになるでしょうが、頑張ろうと思っています。


