知人が言っていたことですが、半世紀ほど生きていると、「真面目に正直に生きているのが一番」というのが確かにそうだと思います。
医療に関して、いろいろ問題点を指摘していますが、パソコンなどは部品交換しないと直りませんが、人間の体は自然治癒力があります。様子を見ていると治ってしまうこともあります。というか、そちらの方が多いのでしょう。
パソコンを修理に出して、直っていなければ文句を言えばいいですが、病気の場合は、医者に向かって文句もなかなか言えないし、「様子を見ましょう」なんて言われればそうするしかありません。実際、様子を見て症状が治まってくることもあるのだから、お医者さんのいう通りにしていればいいということになってしまいます。
今流行しているインフルエンザも、もともとはタミフル、リレンザといった治療薬がありませんでした。かかったから、数日続く高熱などの症状をやり過ごしすか方法はなく、それでも皆治っていました。
医者が必要ないかといえば、診断キットで早く診断し、抗インフルエンザ薬を使えば速やかに症状が改善することが多いため、早期発見、早期治療をした方がいい訳で、やはり医師は必要だが、真面目に正直に診療する医師が求められるのだろうと思います。
残念ながら、他人事って感じで、テキトーにやっている医師も少なくなく、昨日も触れたように命の関わるような状態に陥っても、原因追及もできない、自分でできなければ専門医に紹介しようともしない医師が多いのは、もっと問題視すべきでしょう。医師のモラルは、驚くほど低下しています。
アレルギーは、慢性に経過する治りづらい病気ですが、それこそ早期発見、早期治療が求められます。そのためにはアトピー性皮膚炎やぜんそくという病気を理解していないといけないのですが、新潟県の実情でしか知りませんが、多くの小児科医、皮膚科医が診断できないという悲惨な状況です。
インフルエンザは、流行期に疑ったら鼻水をもらって検査するものの、乳児期に湿疹といえば、みな“乳児湿疹”と決めつけられ、過小診断、過小治療で患者さんが良くなっていないのです。咳が出れば“風邪”と決めつける小児科医も多く、繰り返したり、長引いても「何度も風邪を繰り返している」、「風邪が抜けない」なんて真顔で言っているようです。
アレルギーをやっている者としては、アトピー性皮膚炎からの経皮感作で食物アレルギーが悪化するのを防ぎたいと考えています。先日、受診した患者さんの話に唖然としてしまいました。アトピー性皮膚炎は結構重症だったようですが、ある小児科医のもとを受診し続け、途中アレルギー検査をやったそうですが、卵白6、ミルク6、小麦6といずれも最高値をとっていました。
最近では、なかなかこういう数値はみません。私が診ていても避けられなかった可能性もゼロではないですが、アトピー性皮膚炎とキチンと診断されて守らず、いい加減な治療を繰り返して、皮膚の症状が良くならないまま、経皮感作が繰り返し起こり、このような数値に至ったのかもしれないと思うと、心が痛みます。
それでもめげずに負荷試験はやっていこうと思っていますが、こういった“尻拭い”は毎日のように行っています。
もちろん、悪気はないと信じたいのですが、この小児科医から当院へ紹介があったことは一度もありません。逃げてきた患者さんの治療を見ても、ずっと変わっていません。アレルギーを軽んじているから、こういうことになるのだろうと思っています。
開業医は、“お山の大将”になりやすく、「誰が診ても同じ」、「自分が一番」なんてなってしまっているのでしょう。そう思う前に企業努力をすべきなのですが、アレルギーに関しては、“何となく”といった診療をする医師がとても多い気がします。
東京調布市での食物アレルギーの死亡事故が起きて3年経ちますが、少なくともアレルギーが専門でない医師の間で食物アレルギーの機運が高まっているとは言いがたく、アレルギーで困り果てた患者さんが多く受診する中、やりきれない気持ちをもちつつ、日々診療に取り組んでいます。
アレルギーこそが早期発見、早期治療が必要であると声を大にして言いたいと思っています。


