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スパイスアレルギー
2016年02月22日 更新

土曜は疲労困憊でした。

午前中に100名ほど診察して上で、夕方から休日夜間診療の仕事がありました。インフルエンザがA型、B型ともに広がってきて、激混みでした。それを一人で診察しないといけません。

医師に必要なことって、探究心だと思っています。

少し前に、ある大学皮膚科の教授の言葉について触れました。流す人と、こだわる人の話です。それぞれの病気は特徴がありますが、いつも同じパターンとは限らない。ちょっとずれた場合、最初にパッと頭に浮かんだAという病気なのか、それともBという病気なのか、ちょっと立ち止まって考える医師でありたいと思っています。別の言い方をすれば、“違いのわかる”男って感じでしょうか?(笑)。

「どうせAに決まっている」と思うような医者は結構います。そういう医者にかかってしまうと、いつも言っていることですが、ぜんそくが“風邪”と、アトピー性皮膚炎が“乳児湿疹”となってしまいます。

「似たようなもんだろう」と開き直るどうしようもない医者もいるでしょうが、アレルギーのような慢性疾患は、早く診断して手を打った方が、こじれずに済みます。アトピー性皮膚炎は早く皮膚をきれいにしないと、「経皮感作」が進み、食物アレルギーが悪化してしまいます。

先週後半から、スパイスアレルギーの精査中のことはお話ししています。わざわざ大人の患者さんが、新潟市から当院に期待して受診されているので、原因を究明したいと思っています。

「スパイスでもアレルギーなんて起こすのか?」と思う方も多いと思います。

まだまだ報告は少ない現状ですから、的確に診断されていない患者さんが多いのだろうと思っています。冒頭に流す人と、こだわる人の話をしましたが、成人で皮膚症状が出れば皮膚科を受診されることが多いでしょうが、周囲をみていると圧倒的に“流す”皮膚科医が多いからです。

私もスパイスアレルギーを疑うケースは初めてです。ただ、頭の中に知識は少しありました。ちょっと勉強してみると、カレーを食べてアレルギー症状を起こした患者さんは、セリ科のスパイスに反応しているようです。

「口腔アレルギー症候群」という病気があります。花粉症を発症して、その花粉と似た構造を持つ果物や野菜にも反応するようになってしまい、唇の腫れや口のイガイガ感がみられる病気です。

花粉症が食物アレルギーのきっかけになるという話ですが、そもそも、スパイスも植物ですよね?。ヨモギなどの花粉症が、スパイスにも反応してしまい、アレルギー症状を発症してしまうこともあってもおかしくないことに気付きます。

私の読んでいる論文には、カレーを食べてアレルギー症状を起こした患者さんの多くがセリ科のスパイスが原因で、そのほとんどが花粉症絡みであるようです。

今回の患者さんも、カレーを食べて症状を起こしており、ほとんどそうであるということから、「セリ科のスパイスが原因なんだろうな」と半ば決めつけている自分がいました。

41種類のスパイスで皮膚テストを行っていますが、クミン、フェンネル、コリアンダーなどのセリ科のスパイスでのみ反応が出ていれば、「決まりだな」と思っていました。ヨモギ花粉が飛ぶ秋に花粉症症状がみられており、筋書き通りのパターンだろうと思っていました。

ところが、多くのサンプルのスパイスで反応が起こってしまいました。セリ科のスパイスだけでは説明のつかない状況です。こうなると、私にとっては更に「未知との遭遇」となる訳で、先回のちょっと書いたかもしれませんが、今回参考にしている論文を書かれいる関西の皮膚科の先生、この分野の日本の第一人者ですが、この先生に直接教えを乞おうかとすら考えています。

これ以上は、田舎の開業医には解明が難しいのかもしれませんが、もう少し踏み込んだ解明を行い、患者さんに適切な食生活を指導できるようになりたいと思っています。

ちなみに、最初にかかった皮膚科では、カレーを食べてまななく、呼吸苦を感じている状況で受診したにもかかわらず、内服薬を出されたのみで、「カレーを食べるな」という指導を受けたのみでした。相当レベルが低く、このドクターの知識を超えているのは明らかですが、専門医に紹介することすらありませんでした。

こんないい加減な“診療”を受けて、泣き寝入り状態の患者さんは全国に相当いるはずで、自分が受けている医療が「適切でない」ということに気付いていただくようにするのも、引き続き私の仕事であろうと思っています。

もうちょっとこだわって、精査を進めたいと思っています。