昨日、ほっぺがジクジクした赤ちゃんが当院を初めて受診されました。
数ヶ月、皮膚科に通っていて良くなっていないため、不安になり当院を受診されたようです。いつものパターンで、アトピー性皮膚炎とは診断されず、効かないような薬が出されれていた訳ですが、この医院さん、いつも同じ薬を使っています。
私の場合、治療して良くならないと、薬をすぐさま変更することもあります。良くなって欲しいと願っているからです。この皮膚科に限らず、他の皮膚科や小児科は延々と同じ塗り薬が出されています。
良くなっていないのに、何故?と思ってしまうのですが、患者さんの意向とは裏腹に、そこまで医師が改善を望んでいないんじゃないか?と思わざるを得ません。多分、途中で患者さんが来なくなってしまうと、自分が治した気になってしまうのでしょう。それで、似たような症状の患者さんに対し、“効かない”処方を続けてしまうようです。
私が早期発見にこだわる理由は、皮膚を掻きむしるお子さんをいち早く改善させたいという思いのほかに、食物アレルギーを減らしたいと考えているからです。ご存知の通り、「経皮感作」を抑えることで、食物アレルギーを軽くできる、ないしは予防できる可能性が指摘されています。
医療って、テキトーにやった方が、儲かってしまいます。良くならないから、患者さんは何度と通院してしまう、医師も実際は大して効いていないのに、自分の処方に自信を持っており、同じ薬を出し続ける…、多分こんなことが全国津々浦々の皮膚科、小児科で繰り広げられているのでしょう。残念なことです。
今朝のネットニュースで、今年はインフルエンザの流行の遅さが指摘されていました。暖冬の影響でしょうか、流行状況を示すグラフを見ると、明らかです。最近は、地元でもA型、B型が両方流行しているようです。
当院は、早期発見にこだわり、富士フィルムの検査キットを使っています。通常の診断キットは、発熱から6時間くらいしないと検査が陽性ならないと言われますが、富士フィルムのそれはおよそ半分の時間で陽性になってきます。
この検査キットはCMでも早期発見、早期治療をうたっています。地元の夜間休日診療所でも採用されており、地元の医師ならこの検査の恩恵にあずかっているはずです。しかし、自身の医院で採用しているところはまだ少ないようです。
発熱がいつからかって判断が難しいケースもありますが、園や学校で発熱を指摘されて、お子さんを迎えに行き、その足で小児科を受診することって多いと思います。その場合、多くが発熱して1、2時間ってこともあるでしょう。
当院では、早いと思いつつ、富士フィルムの方で検査します。昨日も、発熱に気付いて1時間しか経っていませんでしたが、調べてみたらインフルエンザA型と判明しました。早期発見、早期治療に結びつけることができました。
何故多の医療機関がこんな文明の利器を採用しないのだろうと不思議に思ってます。またお金の話になるのですが、富士フィルムの検査キットは普通の検査キットに比べて高いのが難点です。インフルエンザと診断して治療した場合、検査キットが高ければ、その分、医院の利益が少なくなります。
残念ながら、こういう問題が大きいのだろうと予想しています。。利益率をいかに上げるかというのは他の業種では常識でしょうが、病気を扱う医療機関としてはどうなのでしょう?。モラルを問われるくらいの選択だと思っています。
発熱して間もない患者さんを普通の検査キットで検査して、当然のように陰性だったとして、「また明日検査に来てください」と言えば、利益は上がってしまいます。私であれば、早期発見にこだわるのですが、そこまでこだわっていない医師が多いのだろうと思ってしまいます。
私と同じような考え方を持つ小児科医に増えて欲しいものだと思っています。


