小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

直接的、間接的アプローチ
2016年02月27日 更新

今週の月曜、電話がかかってきて、急遽テレビ出演に至ったことをお話ししました。

某市の私立幼稚園で誤食事故があり、牛乳アレルギーのお子さんが入院してしまったのだそうです。

その市からは患者さんが大勢受診されているので、その事故の話を聞いた時、私の患者さんかと思いました。当院は重症な患者さんを診ているからです。実際は、違いましたが…。

ニュースのあらましはこうです。私立幼稚園で牛乳アレルギーの3歳のお子さんが、普段は担当者が誤食に気をつけていたんだけれど、当日はその人が休んだため、代わりの人が担当したら、引き継ぎが悪く、知らずに乳製品を与えてしまったという、ヒヤリハット事例としてよく聞く話です。

病院に搬送され、3日間入院したとか。普通は、3日も入院はしません。かなり重症だったのでしょうか?。最後に、専門医を招いて研修会を行った?、行う予定?というようなことが触れてありました。当然、私のところに話が来るものと思っていました。その市の食物アレルギー研修会は私が毎年講師を務めさせていただいているからです。

結局連絡は来ず、今回の誤食事故がネットニュースで流れるに至り、それによると専門医による指導が済んでいることが分かりました。調べてみると、事実は報道と違いました。

食物アレルギーが専門でない医師が園で話をしているそうなのです。これには弱りました。敢えて言えば、重症な患者さんに対応する園の職員に対し、専門でない医師が中途半端な指導をしてもらっても困りますし、患者さんも専門医が診ていくべきだからです。

今回の報道で、園の名前が大々的に流れました。私はその園のホームページからメールを出すことにしました。保護者を対象に、食物アレルギーの勉強会を提案したのです。

今回の報道で、この園の食物アレルギー対応が不十分であることが明らかとなりました。この園に通う他の食物アレルギーを持つ親御さんは不安で仕方ないと思います。しかも、新年度で入園を募集している時期でしょうか?。園にとってもこのタイミングで痛手なはずです。

それを逆手にとって、保護者を対象に専門医を招き、食物アレルギー勉強会を開き、一緒に勉強し、職員一丸となって対策を取っていくという方針を明らかにすれば、汚名返上に役立つだろうと思っています。

そういった提案のメールを送ったのですが、今のところ返事すらありません。直接的アプローチは、失敗かもしれません。

次は、その市のこども課の担当にメールしました。地元に食物アレルギーに専門医はいないからこそ、毎年私のところに研修会の依頼がある訳で、事情を知っているはずなのに、何も動こうとしないからです。これもよくあるパターンですが、行政は私立の施設は管轄にないと、いつもおよび腰です。

これって不思議に思っています。私立とはいえ、その市の子どもには変りなく、重大な事故が起きて、それは市にも問題があるからです。それが証拠にこども課の課長さんがニュースで謝罪の言葉を述べています。

どういう訳か、1日経っても返事がありません。「何とかしなければ」と思いつつ、診察していると、その市から初めて当院を受診された患者さんが来られました。

まだ赤ちゃんでしたが、アトピー性皮膚炎が見逃されており、経皮感作で食物アレルギーが起こっている可能性があるなんて話している際に、ふと今回の誤食事故の話題となりました。

驚いたことに、上のお子さんが今回の園に通っているのだそうです。これは渡りに船と、私の思いを園長に伝えて欲しいとお話ししました。もちろん、親御さんも私の考えに賛成してくださいました。行政側はどれだけ園長に話してくれるかよく分かりませんので、保護者からの意見ということであれば、確実に園長に私の考えが伝わります。

1つの直接、2つの間接的アプローチと合計3本の弓矢を放ちました。この話、どうなるでしょうか?。

最低でも、今回の一番辛い思いをしたお子さんは、私が診るようにしたいものだと思っています。