開業医って、ある意味、危険な存在だと思っています。
「えっ!?」と思われるでしょうが、以下のような意味からです。医師が一人しかいないことが多く、患者もスタッフも「先生の診断は間違っている」とは言いません。開業医は、探せば代わりはいくらでもいるので、ある医院でおかしなことをさせて「もう二度と行かない」となると、患者さんはその事実を伝えずに、その医院を去ることになります。
この状況で、医師は「症状が落ち着いたから来なくなった」と勘違いしてしまうことが多いでしょう。その繰り返しで、どんどん勘違いを繰り返すことになります。
あと、一般的には病気は軽いものが圧倒的に多く、そういう患者さんは総合病院ではなく、開業医を受診することが多いと思います。これは私も経験済みですが、ごった返す外来で、紹介状を書くのは勇気がいります。患者さんの待ち時間を考えると、その場で書くことに躊躇することもあります。
私の場合は、患者さんがより良い医療を受けられるように紹介状を書くのですが、「紹介」=「かかりつけの患者が一人減る」ことを意味します。収入が減るのを嫌って、紹介すべき患者を紹介しない開業医も結構います。
患者さんは、医師に頼りきっていますので、そんないい加減なことをやられているとはつゆ知らず、通い続けることになります。もはや洗脳されているような格好で、やはり医療は宗教的な部分が大きいと思わざるを得ません。
さて、今回はある総合病院の口腔外科から当院に紹介状を持って受診された15歳の中学生がいました。
何種類もの果物、野菜を食べると口の中が痒くなるのだそうです。ある程度知識があれば、口腔アレルギー症候群だなと分かると思いますが、口腔外科の先生にとっては専門外、責めてはいけませんが、ラテックスフルーツ症候群という診断が付けられていました。
詳しくないなりに、紹介状に診断名を書くため、そう診断されたようです。特にラテックスですからゴム製品に反応はなく、その診断名は正しくないようです。
口腔アレルギー症候群で、シラカンバ、ハンノキ花粉症があると、様々な果物や野菜で症状が誘発されてしまいます。今回はそれを疑い、血液検査をさせていただきました。
どうして口腔外科かと思ったのですが、かかりつけの歯科医が総合病院の口腔外科に紹介状を書いたようです。歯科の先生も専門外ですから、分からなかったのでしょう。総合病院の中で、解決できればよかったのでしょうが、食物アレルギーを診療する可能性がある科といえば皮膚科か耳鼻科だと思いますが、あまり詳しくないようです。
どうやって調べたのか分かりませんが、当院宛で紹介状を持参されました。15歳と書きましたが、実は1週間後に高校受験を控えた受験生でした。受験が終わってから受診してもよかったのですが…(汗)。
見る人が見ればあっという間に分かることではありますが、分からなければ専門家に相談すべきでしょう。今回は意外なルートからの受診で、ちょっとビックリしました。
これもご存知の方もいるでしょうが、受験が終わったら、症状の出る果物と野菜を持参してもらい、皮膚テストをやろうと思っています。アレルギー採血も行いましたが、クラス0で出ることも多く、プリックテストと言われる皮膚テストで診断しようという心構えです。
話を聞くと、将来は看護師さんになりたいとのこと。
自分で解決できなければ、解決してくれそうな専門家に相談するのは当然のことだと思うでしょうが、今回のように紹介状を書かない医師も多く、専門医にたどり着けない患者さんもいることを話しました。
自分で言うのも何ですが、当院の看護スタッフはのびのびと自分で考えながら、仕事をしてくれています。よき指導者の下では大きく伸びると思いますが、そうでなければ実力も頭打ちになることでしょう。指導者に恵まれることも大事なことでしょう。
つい余計なことを言ってしまいましたが、今回ずっと疑問に思っていた口が痒くなる症状を解明し、それを示すことで、病気を避けて日常生活を問題なく送れるように指導したいと思っています。もちろん、受験が終わった後でですが…(笑)。


