小児科 すこやかアレルギークリニック

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動きがありました
2016年03月02日 更新

3月に入ったので、先月の話になりますが、新潟県内の某市で誤食によるアナフィラキシー事故がありました。

先週、テレビ局からその事故に対するコメントを求められ、そこで初めて事故が起こったことを認識しました。

先日、この場で私の患者ではなかったものの、何かやらなければいけないという衝動に駆られ、園やその他にアクションを起こした話をしました。それくらいの責任感は持っているつもりです。

その時に、誤食事故を起こした園にもメールを出したが返事はないと書きました。これは訂正ということになるのですが、園から返事は頂いていたようです。これもつい先日触れたのですが、当院を新規受診した患者さんの上のお子さんが、実はその園に通っていることが分かり、私の協力したいという意向を園側に伝えて欲しいとお願いしていました。

そのお陰だと思いますが、園長から昨日メールをいただきました。私がメールをして間もなく、速やかにお返事をいただいていたようですが、再度の送り直しで、届いています。これから私のできることを、園側と相談の上、進めていきたいと思っています。

もっと大きな動きがありました。アナフィラキシーを起こした患者さんが、当院を受診してくださったのです。診察室に入ってこられる時に、つい「待っていましたよ」と言ってしまいました(笑)。

それまで断片的な情報しかなかったのですが、ご本人から情報を教えていただいたこともあり、当日の様子が明らかとなりました。

栄養士がインフルエンザにかかり、仕事を休み、当日のメニューにシチューがあったのですが、他児と同じものを与えてしまったのだそうです。患者さんは、牛乳アレルギーがありますから、シチューなんて出してはいけないはずなのにです。

栄養士が休みでなければ、回避できた事案だと思っています。残念ながら、こういうことってよくあるパターンです。結局、言い方は悪いですが、よく分かってる人(今回は栄養士)におんぶに抱っこで、いざという時に代わりはできないという状況でしょう。

乳については、自宅で誤食はたまにありましたが、軽い症状が起きたのみで、今回のように大量の乳成分が体に入ることで、アナフィラキシーを起こしました。親御さんからすれば、未だかつてない強い症状だったので、さぞかし驚かれたことでしょう。

3年前に起こった東京調布市での死亡事故を受け、給食で子どもを死亡させてはならないという号令のもと、園や学校で食物アレルギーの誤食時の対応が速やかに行われることが求められています。

今回は私立の幼稚園で起きてしまいましたが、残念ながら、私立の幼稚園の対応が全国的に遅れていることが指摘されています。

私の地元上越市内でもエピペンを預かるのに1年近くかかった園や、いまだに拒否し続けている園もあり、いずれも私立幼稚園です。市役所に指摘しても、のらりくらりとかわされたりします。行政が及び腰のため、誰も尻を叩けず、対応が遅れているというのが現状のようです。ただし、その重要性を把握し、立派に対策を取っている園も存在しています。

今回、誤食が起き、その後の対応がまずかった。職員が対処法を理解していなかったのでしょう。じんましんのほか、繰り返す嘔吐、強い咳き込みが見られました。エピペンを持っている児ならば、エピペンを打ってもいい状況でした。

この患者さんの場合、所持はしていませんでしたので、救急車を呼ぶべき状態でしたが、親御さんに連絡を取り、迎えに来てもらっています。

この市は、毎年私が講師を務めさせていただいているのですが、食物アレルギーの研修会を行っています。私立の幼稚園は参加してるのか、いないのか現時点で分かりませんが、仮に参加していたとしても、私の話を聞いていないのと同様のレベルです。研修会が有効に活かされていないのならば、ガッカリです。

詳しくは書けませんが、その後の園側の対応に問題があり、親御さんも不信感を募らせているようです。これまで大きな事故はなかったようですが、栄養士の不在をカバーできるだけの努力がなされておらず、慎重さも欠けていたと言わざるを得ません。要は、園全体の食物アレルギーに関する知識が不十分であったのは明らかです。

ちなみに、地元の主治医も一生懸命やってくれていたようですが、体重が15kg以上あるにもかかわらず、エピペンが処方されていませんでした。これは医師側の知識不足も露呈しており、残念ながらこれもよくある話です。昨日、速攻エピペンを処方し、ご両親にもいつでも打てるよう指導しています。

食物アレルギーは乳幼児において年々増加しています。その食物アレルギーの認識の甘を露呈してしまい、これは園にとってもとても痛手と思われます。これは、一から出直すつもりで、頑張ってもらわないといけません。信頼回復のお手伝いができるよう、園側と話し合っていこうと思っています。