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医師不足に隠れて
2016年03月19日 更新

昨日の夜、地元のニュースで医師不足の話題を取り上げていました。

ある県立病院が、医師不足を理由に病院の規模を縮小しており、となると病院の売り上げは落ちるし、かといって医師の出張を要請するのに数億のお金が必要ということで、地方病院のご苦労を伝えていました。

新たな試みとして、魚沼地区の基幹病院の話も出ていました。中規模の病院のいくつかから医師を出し合って、大きな新しい病院を作り、医師を集中させることで、救急医療も一緒に行い、研修医の指導も行うというものです。

同業の小児科医をみても、開業医はやたらと新潟市に行きたがり、大きな街に集中する傾向にあります。確かに人口も多いので、ニーズはあるのかもしれませんが、患者の奪い合いをしているようです。

先ほどの魚沼地区には、開業医小児科医はほとんどおらず、医師の偏在は明らかです。これは新潟県に限らず、他の都道府県でも同じことが言えるでしょう。

医師不足とはいうものの、いるところにはいて、いないところにはいないという話です。僻地医療っていいますが、喜んで僻地に行こうという医者はなかなかいないはずで、これってなかなか解決の難しい問題なのだろうと思っています。

これに対する妙案がある訳ではありませんが、問題にしたいのは医師のモラルの問題です。どの医師も同じクオリティーの診療をしていれば、どこにいっても同等のハイレベルの医療を受けられるはずですが、そうはなっていません。

最近ひどいと思うのは、小児科医もそうですが、皮膚科医。アトピー性皮膚炎の診断すらできません。もちろん治療もできるはずもありません。効かないような軟膏が延々と処方され、患者さんは正しい、適切な医療が受けられていないのです。

多分、アトピー性皮膚炎で困っている患者さんは県内には多いはずで、そのごく一部が当院に来られているのでしょう。アトピー性皮膚炎の診断すらできない皮膚科医がいていいのでしょうか?。

そこには責任感や「自分が絶対によくしたい」という思いは感じられず、ただ漫然と通院させられていて、医院にだけ利益が落ち、医師にのみメリットがあるという状況です。

他にも言いたいことはありますが、医師のモラルが相当低下しているというのは事実だろうと感じています。医師は最初から信頼されることが多く、それにあぐらをかいているような医師は結構います。

医師不足に隠れて、もっと別な問題があることに我々は気付かないと、自分の身を守ることができないということも理解しておく必要がありそうです。