昨日、複数の負荷試験をやったうち、3件は印象深いものでした。
一人は、卵焼きで負荷試験を行っています。これなら普通なのですが、アレルギー検査の数値がクラス5でした。多くの医師が除去を指導するところでしょうが、スムーズに何も起こらず卵焼き1個を完食できています。
確かにクラス5だと食べられないこともありますが、食べられることもあります。「クラス5だから食べられない」という風に決めつけることは良くないことだと思っています。もっとお子さんの食べられる可能性を信じて欲しいと思っています。
その一方、別のクラス5の患者さんに微量の卵で負荷試験をやっています。この患者さんの場合、当院でもトップクラスに重症です。この日も卵白が1mgほどで症状が出ることが分かりました。1gではなく、1mgです。
それでも更に微量の卵白を食べるよう指導しています。同じクラス5でも卵焼き1個ですから、40gくらいでしょうか。それを問題なく食べられるお子さんもいますが、1mgも食べられないような重症なお子さんもいます。それでも諦めずに、食べる努力はしています。
最後の一人は、少し前にも触れましたが、他県のアレルギー専門医から「負荷試験どころではない」と言われたお子さんです。正直、カチンと来ました。
当時は卵白がクラス4でしたが、今回当院を初診された時に再検したところ、クラス6にはね上がっていました。それでも負荷試験をやろうと考えました。食材は、当院得意の卵クッキーを用いました。
この子も、何の問題もなく3枚を完食しています。最近は、「完全除去は良くない」と言われています。この子はアナフィラキシーの既往がありますが、それでもです。この患者さんは、卵タンパクとして165mg食べても問題ないことが分かりました。それ以内で食べさせていこうという話をすることができました。
卵焼きを完食した最初のお子さんは、卵は解除に持っていけそうですが、あとの二人は半年後か1年後にもっと食べられる状態にしたいと思っています。
今回のケースは、いずれも卵白がクラス5以上という患者さんに対する負荷試験でしたが、どれも決して簡単ではありません。当院では、場合によっては専門医でもさじを投げるようなケースでも負荷試験をやり、少しでも食べさせようと努力しています。
毎日の負荷試験の中でいろいろ経験させていただき、自分のノウハウになっているようです。なかなか食べさせられずに困っている方がいれば、相談に受診していただければと思っています。


