私は、勤務医時代からアレルギーにこだわった診療をしていました。
そこで「こんなにも多くのアレルギーで困っている子ども達がいる」ということを実感しました。午後にアレルギー外来をやっていましたが、それだけでは足りなくなり、午前中の一般診療の時間帯にもアレルギーで困った患者さんが受診されるようになりました。
どうすればいい?と自問自答し、独立すれば、毎日「アレルギー外来」ができると考え、開業に至りました。開業した先生は、いろいろな理由があるようです。病院勤務だといろいろな業務がありますので、勤務医に疲れたとか、当直したくないとか、結構消極的な考えの方もいるようです。
開業医って、結構くせ者かなと思っています。一般的には、大病院よりも開業医は下に見られています。患者さんからすれば、多少レベルは高くなくても、近くでいつでも診てもらえるという安心感があり、レベルが低いと分かっていても、つい近くの医院で薬をもらうと安心してしまうようです。
日本の医療システムは、どの医者に診てもらっても同じお金が入ってきます。そういう意味では、開業医が日頃から勉強して、良心的に診療しないといけないはずだと思います。実際には、手抜きをしてテキトーにやっても利益が上がるこということになってしまいます。
残念ながら、勤務医よりも開業医の方が学会に参加しないことが多いし、うちの周囲にもが全く学会に参加しない医院さんもあります。独りよがりの“医療”をやっていても、患者さんも医師本人も気づかないようです。そういう医者に限って、「自分かここまでできて、これ以上はできないので、専門医に紹介する」というものがなくて、よく言えば自分で何とかしようとします。
紹介しない方が、自分の医院にお金が落ちます。患者さんを何とかしようという思うよりも、まずは自分の医院の利益を優先するけしからん開業医って、私のみる範囲では決して少なくありません。
アレルギーなんて、もともと慢性的な経過をたどるので、いい加減な治療では決して良くなることはありません。アトピー性皮膚炎と診断できない皮膚科医、ぜんそくを治療できない小児科医なんて大勢いるようです。
私もアレルギー診療にはかなりこだわっているつもりですが、日本で開業医でかなり最先端がことをやっているのは、友人で浜松で開業されている川田先生だと思っています。日々努力をされ、その辺の専門病院、大学病院をも凌駕したレベルだと思います。
その一方で、私の地元でも、私が負荷試験を一生懸命やっていることを知っているにもかかわらず、「この辺で負荷試験をやっている医療機関はない」と平気で言うような小児科医もいます。自分ができない=専門医へ紹介という発想に欠けています。
いまだに多いのですが、アレルギー検査の数値だけで、「食べるな」と言っておけば、食物アレルギーという病気を診たことになり、収入が上がってしまいます。「いまは除去よりも食べさせないといけないんですよ」などと言って、負荷試験の説明をやるより、全くリスクを負わずに、“効率”よく利益を上げることができます。これじゃ、負荷試験が広まらない訳です。
繰り返しになりますが、開業医が自分の診た患者さんをうまく振り分け、「これは負荷試験が必要だから、あの先生に紹介しよう」としてくれれば、地域の患者さんが効率よく専門医のもとを訪れることができます。「紹介したら収入が減る」なんて考えるとんでもない医者がいるから、地元なり、日本全体の医療レベルが一向に上がってきません。
多くの患者さんが近くの開業医を信頼しているでしょうが、信頼されるためには日々の努力と良心が欠かせません。企業努力をしている医師って、あまり多くないように見えるのは私だけでしょうか?。
日本の医療を良くするのも開業医、悪くするのも開業医、なのだろうと思っています。


