小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

意外と多いこと
2016年04月06日 更新

連日、負荷試験を行っています。

この時期は、新年度が始まることもあり、アレルギー診断書の記載を求める人が多く、そのために急遽負荷試験をやる必要があるという感じでしたが、今年はそういうパターンは少し減ったような気がします。

早い人は11月、12月くらいに相談に来られていて、余裕を持っって診断書を書けることもありました。

もう4月に入りましたので、負荷試験のピークは過ぎ、これからゆっくり減るだろうと思っています。減った方が、楽でいいのですが、逆にそういう時期だからこそ、負荷試験を薦めていかなければならないと思っています。

例えば、卵だけ検査が陽性で、卵だけ除去していたつもりが、よくよく聞いてみると、イクラやタラコは食べていませんと言われることがあります。確かに食べさせ始める年齢が分かりにくい食品かもしれません。

以前は、卵(鶏卵)アレルギーがあると、鶏肉も魚卵も除去という指導がまかり通っていました。鶏肉は親だから、魚卵は「卵」つながりということでしょう。今は関連はなく、そのように除去してはいけないと言われています。

他にも「ソバは怖くて食べさせていません」とか「ピーナッツも除去しています」と言って、アーモンドもクルミも食べていない患者さんは意外と多いのです。

もちろん、私の指示ではありません。親御さんの判断で除去しています。卵アレルギーがあると、何かアレルギーを起こしやすいと言われる食品は手を出しづらいようです。

イクラやソバは給食では出ないでしょうが、家でも食べてないようなクルミやカシューナッツを初めて給食で食べて、アナフィラキシーを起こすこともあるようです。園や学校では、このように初めて食べさせてアナフィラキシーということだけは避けなければなりません。

親御さんの判断でも、結果として食べていない食品は、園や学校は把握する必要があると思います。私も気付けば、「○○と△△は食べていません」と診断書に書くようにしています。

ピーナッツやエビなどがクラス2程度なら負荷試験をやるようにしていますが、除去に慣れていると、なかなか重い腰が上がらず、負荷試験に来られないことも多く、そのままになっていることもあります。クラス0で除去する根拠がないのに、除去していることもあり、自宅で少しずつ食べさせてみるよう話すこともありますが、これも放置されることもあります。

食物アレルギーがあると、医師が診断していない食品にまで食べることにブレーキをかけてしまう傾向があるようなので、私の方も食べていないものをキチンと把握した上で診断書を書くように心掛けないといけません。これは、こちらから聞きにいかないと、把握できないこともあります。

それらの食品を食べるよう指導し、どうしても怖くて食べさせられなければ、負荷試験もしつつ、園・学校のためにも食べたことのない食品を減らす努力をしていかなければならないと思っています。