昨日は、水曜日。午後の時間を有効利用しました。
昨日は、私の診ている重症な患者さんが今度小学校に上がるということで、割りと早い時期から研修会の打診がその小学校からありました。私もその重症さを理解して欲しいと思っていましたので、ちょうど良かったです。
学校では、エピペンを所持しているお子さんが入学するのは初めてのことで、緊急時の対応も慣れていない様子。であれば、誤食時にどういうことをしたらいいのか、誤食時は症状が軽ければ抗ヒスタミン薬などの内服薬、アナフィラキシーならエピペンという対応になりますが、その使い分けについても理解していただかないといけません。
当院にかかり始めた当初は、卵も乳、小麦なども完全除去状態でしたが、小麦は克服しました。「リッツ」は卵も乳も含まないため、なるべくリッツを食べさせるようにしていました。最初は少ない量で症状が誘発されていましたが、次第に慣れ、連日2枚は食べるようになっているということで、うどんで負荷試験を行ったら、100g食べられました。今では、小麦は制限がないほどです。
卵と乳はあまり進んでいなかったので、今年は積極的にいこうと思っています。その時の状況は、卵は10mg、乳は0.1mlほどで症状が出ます。みる人がみればいかに重症か分かる数値だと思うのですが、これをいかに食べさせていくかということになります。
小麦はしつこく食べさせるようにしました。卵もしつこくやっていると、少しは食べられるようになると思います。乳は小麦や卵よりも、食べ慣れにくいと言われています。それでも前を向いて進んでいこうと思っています。
3年前に東京調布市で11歳の女児が給食でアレルゲンを誤食し、亡くなるという悲劇が起きました。私が主治医であれば、負荷試験はやっていたでしょうし、例えば牛乳を1mlも摂れないことが分かれば、学校側に伝えに行ったと思っています。チヂミに混ぜられたチーズが引き金になった訳ですが、私の患者さんも乳成分が濃縮されたチーズを食べれば、怖いことが起きてしまうかもしれません。学校の先生方にはそれを伝えたかったのです。
誤食させないこと、万が一誤食させてしまえば、速やかにエピペンを打ち、救急車で病院に搬送することを力説してきました。学校の先生も子ども達の教育でお忙しいですが、やるべきことをポイントを押さえて説明すれば、専門外の医学の分野でもとても協力的になってくださるのが常です。
当院は、この数年、水曜午後に個別に園や学校を回るという活動をやってきました。昨日も、空き時間を有効に利用できたと思っています。
この数ヶ月、一日の休みもありませんが、私の患者さんを誤食時に守ってくださいとお願いに行っています。と同時に、重症児の受け入れに困惑している園や学校の先生のためにも、頑張って乗り切ろうと思っています。


