先月末、東京の小児科クリニックで3種類のワクチンを勝手に混ぜ合わせて、1回で注射していたことが分かり、ニュースになりました。ご存知の方もいらっしゃると思います。
http://www.news24.jp/articles/2016/03/31/07326227.html
MR、水ぼうそう、おたふく風邪ですから、通常なら3つを3回、同時接種となるはずでした。それを安全性を確認できる術もないのに、混ぜて1回で済ませていたというのです。
3回の注射はかわいそうだらと言っているようですが、親御さんも「えっ?」という話だと思います。一開業医のやったことなのに、そのクリニックのある東京北区では「予防接種事故について」というタイトルで、お詫びのコメントを寄せています。
予防接種は接種のその日に冷蔵庫から出し、ワクチンを溶剤で溶解して皮下注射します。接種までの準備は、看護師さんがやっていると思います。医師からそうするよう指示された時、「おかしいな」、「大丈夫かな」と思ったはずです。
医者が“おかしいこと”をやろうと言い出した時に、歯止めをかけられるのは看護スタッフだと思っています。にもかかわらず、こういう誤った行為が行われてしまいました。
看護師さんからすれば、医者に意見でもしてクビにでもなったら困るとでも考えていたのでしょうか?。クリニックでの医師の判断は絶対で、誰も何も言えないということが多いのだろうと思っています。そういう状態が続けば、人によってはどんどん「裸の王様」状態になってしまうとは思いませんか?。
このニュースの2、3日後に別の開業医の不祥事が報道されていました。前立腺がんの検査のための針を使い回していたというのです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160402-00000005-asahi-soci
こういう機器は使ったら廃棄するのが普通で、使い回しは衛生上のこともあり、禁止されています。これも看護スタッフだけが、こういう行為を止められたと思うのですが、そうはされていませんでした。
特殊なケースとお思いでしょうが、私はおかしな医者が多いと思っていますので、氷山の一角に過ぎないと考えています。医療なんて、医者の考え次第で、どうにでもねじ曲げられてしまうものなのでしょう。
いつも言っているように、症状が改善していない患者さんの話もよく聞かずに、同じ薬を続けるということをやっている医者はとても多いです。患者さんに良くなって欲しくないというのと同じ行為ですが、全国各地でまかり通っています。
患者さんにメリットは全くありませんが、医院にはお金が落ちるシステムになっています。以前も触れたように、近隣の皮膚科で、良くもなっていないのに「良くなってますね。同じ薬を出しておきます。」なんてリップサービス?で、何とでもなってしまうのです。
今回の例のように違法なことをしている訳ではありませんが、効率重視、利益重視のクリニックはとても多く、それが最優先ってことも多いようです。本来、医療にはモラルとか、責任というものが優先されると思うのですが…。
日本の医療は「お医者さんの言うことは間違いない」という考えのもとに成り立っていますが、早急に見直しが必要であると個人的には思っています。


