ゴールデンウィーク中に休日診療所で仕事がありました。
市外から上越市に来られていて、発熱などの体調不良で受診される患者さんもいらっしゃいます。看護師さんが「飲んでいる薬はありますか?」と事前に聞いてくれているので、それも参考に治療を組み立てることになります。
県内の某市在住の方で、ぜんそくのお子さんが発熱を主訴に受診されました。話を聞くと、ゼーゼーを繰り替えてしているようです。ゼーゼーを繰り返す患者さんは、とてもゼーゼーしやすいクセが付いているため、今回も少しゼーゼーしていました。
この患者さん、某市の小児科で抗アレルギー薬を処方され、継続内服していました。それでもゼーゼー言いやすいのです。そういう時にどうしていたかと言うと、吸入器の貸し出しをしてもらっていたそうです。
つまり、メプチンやベネトリンといった気管支拡張薬をゼーゼー言った時に吸入して呼吸困難を乗り切るのだそうです。確かに、夜間や休日にぜんそく患者さんが発作を起こし、ゼーゼーしてしまうと救急外来で気管支拡張薬の吸入を行います。
即効性があるため、ゼーゼーが消え、呼吸苦もなくなると「帰っていい」ということになります。発作時に吸入は有効な治療法であるのは確かです。かかりつけの医院から吸入器を貸し出してもらうと、それで乗り越えられたり、安心だったりして、親切なお医者さんと思う方も多いでしょう。
あえて言いますが、それにダマされてはいけません!!。
親切なことをダマされるとは、過激な!と思う方もいることでしょう。よく考えてみて欲しいのです。吸入器を貸してもらうということは、いつゼーゼー言うか分からないということです。
ぜんそく患者さんがゼーゼー言って苦しければ、園や学校を休まなければならないし、楽しみにしていた外出もできなくなります。程度が重ければ入院治療が必要になるかもしれません。
ぜんそく発作を起こしやすいクセが付いているからそういう事態に陥る可能性がある訳で、日頃の治療が適切か見直す必要があります。いまはぜんそく治療がかなり進んでおり、“適切”に治療されていれば、ゼーゼーする頻度を相当減らすことができます。逆に、ゼーゼーしやすい場合、医師の治療が適切か、確認する必要があるのです。
今回の患者さんも、過小治療の可能性があると思いました。その辺のことも診察時間内にアドバイスさせていただきました。アレルギーは小児科医の間で知識の格差が大きく、吸入器を貸し出すことで、患者さんを“無駄”に頑張らせている医師は意外といるように思っています。
この場合、医者を代えることが一番手っ取り早い対応だったりします。お母さんから、「家の近くにアレルギーに詳しい先生がいませんか?」という質問がありましたので、心当たりをアドバイスしておきました。
よく調子を崩して、吸入器を貸し出されている患者さんは、気をつけていただきたいと思っています。


