小児科 すこやかアレルギークリニック

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成人の主張
2016年06月07日 更新

今月は今週末、来週末と2週連続で学会発表があります。

昨年も新潟市での研究会は、自慢じゃないですが数日前から発表用のスライドを作り始めました。今回は、昨日から作っています。これでも例年より少し早く作業に入っています(汗)。

今週末の発表は、スパイスアレルギーのケースで、珍しい症例をどう診断していったかとお話しさせていただき、来週の全国学会では、開業医が軽症の食物アレルギーの患者さんに対し、負荷試験をリスクを少なくして行うにはどうしたらいいかという提案を行う予定です。

来週の話を先にすると、多くの小児科医が負荷試験の存在を患者さんに伝えることなく、誤魔化しているのが現状です。素直に専門医に紹介することは少ないと思います。

多分、自分の手元に患者がいなくなれば利益が減るという経営的なこともあるでしょうし、ずっと除去しておけば何も起きないため、少しでも食べさせてあげたいと思う気持ちに欠けることもあるでしょう。つまり、負荷試験の必要性も感じていないということでしょう。

周囲を見ていると、多くの医師がリスクを避けたがります。医師である限り、リスクからは逃げられないと思うのですが、例えば、卵アレルギーの「た」の字を聞いた時点で、「うちではインフルエンザの予防接種はできない」と逃げる小児科医っていまだにいますよね?。

誰だってリスクから逃げたい気持ちは分かりますが、よく勉強もせず、必要以上にリスクを避けようとします。その結果、患者さんに責任を持った医療をやろうとしない医師が少なくないという状況です。

私の目標は、全国の開業医に負荷試験を少しでも広めること。多くの開業医が負荷試験を“食わず嫌い”になっており、とにかく自分はできないものと決めつけています。みんなが思うほど、リスクも高くなく、かなり安全に負荷試験ができるんだよというのを伝えたいのです。

小児科医が10人いれば、10人ともやってくれるとは思いません。1人でも2人でも軽症の卵や牛乳アレルギーの患者さんに負荷試験をやってくれるだけで、救われる患者さんは確実にいます。1人、2人と始めてくれれば、それが3人、4人と広がっていくかもしれません。医師は周りがやると、「自分も」とやり始める人が出てくると思います。

とにかく、今のところは“やらないブーム”が当たり前になっていますが、“やるブーム”に転換させたいのです。

例えば、ある地域で一人の小児科医が負荷試験を始めたとします。誰もやっていなければ、噂は広まり、負荷試験を受けたいという患者さんがその医院に集中します。要は、他の医院にない魅力を身につければ、他との差別化ができ、集客もできると考えればいいのです。

食物アレルギーは患者さんから注目されていますので、こだわった医療をしていれば、患者さんは必ず頼りにしてくれます。1人がやり始めると、それに続く医師も出てくるでしょう。

そのためには、負荷試験が安全に行える必要があります。当院では少量含む加工品を使った負荷試験を行っています。患者さんが重症なアレルギー症状を起こし、診療が中断することはまずありません。看護スタッフに見守られ、診療と同時並行で行うことができます。

実際、開業医である私がやっているのですから、多くの小児科医ができるはずですし、その点は説得力があるはずです。

来週の学会では、そういう成人の主張を行ってきたいと思っています。