小児科 すこやかアレルギークリニック

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弊害
2016年06月23日 更新

先日、テレビ番組でアレルギースペシャルと題したものをやっていました。

若くて将来有望の女子プロゴルファーが、様々な体調不良に悩まされ、見ているだけでも気の毒だと思いました。幾つかの医者にいっても改善されず、ある病院にたどり着きます。

採血し、それをアメリカに送った結果、食物アレルギーと診断され、陽性のものを除去することになります。一部症状は改善したが、まだ本調子には戻っていないという話でした。

話の内容からすると、食物のIgG抗体を調べたものと思われます。いまだにこの検査をやる医師はいますが、学会側は推奨しないとハッキリ言っています。
http://www.jspaci.jp/modules/general/index.php?page=article&storyid=9

日本の第一人者の先生に監修を依頼することもなく、これが正しい診断法だと思ってもらったら、アレルギー医療が混乱します。為になる放送もあるだけに、毎回根拠のある内容を放送していただきたいものだと思っています。

それと関係するのですが、先日中学生が食物アレルギーの相談に来られました。

以前当院で診ていたのですが、内科でアレルギー検査をされ、その結果を持参されました。「View36」という一度に36もの多くの項目を調べられるという検査です。

その結果をみて、小麦が陽性だったので、これまでずっと摂っていた小麦を止めているというのです。

View36という検査は、我々プロが用いる方法は異なるので、専門医は用いません。アレルギーに詳しくない医師が「一度にこんなに調べられる」と安易に飛びつく検査だと思っています。小児科医でも時々いますが、申し訳ないですが、通常の検査法で採血し直させていただくことも多いです。

他にも似たような検査があり、それをする医師も少なくないので、判定に困るのです。逆に専門医は、疑わしい項目をしぼって提出しています。要は無駄な検査はしたくないという思いです。

一度に多項目を調べられるというのは、スクリーニングといって当たりをつける意味ではありかもしれませんが、こういう結果を持ってこられる患者さんもいて、正直やりづらいと思っています。

そんな中、今回のように食べてもなんともないはずの小麦を、母親が混乱してしまい、止めているということでした。こんなことなら、検査なんてしない方がよかったということではないでしょうか?。

一度に多くを調べられるというコンセプトは否定しませんが、しなくていい苦労をしてしまう弊害がありそうです。こういうことも知っておいていいかもしれません。