小児科 すこやかアレルギークリニック

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アレルギー、恐るべし2
2016年06月30日 更新

昨日、講演に行ってきました。

質問も入れて2時間時間をいただいたので、1時間半以上話さないといけないと思っていました。

スライドも100枚以上用意していきました。そんなに急がなくてもいいと思い、ゆっくり話をしました。ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーはどれも力を入れている分野で、アレルギーマーチ、経皮感作でつながっています。その辺を理解して欲しいと思っていました。

あっという間に1時間45分が経ち、スライドは少し残っています。ここでペースを少しだけあげ、話し終わったのが2時間後(汗)。それでも質問を受け、終了となりました。

昨日も触れたように、我々小児科医は小児ぜんそくを克服したのかと言われると、そうではないようだという話をしました。今日はアトピー性皮膚炎について触れようと思っています。

以前、アトピーに対するステロイド軟膏の是非で社会問題化したこともあり、未だに拒否反応を示す方がいます。若いお母さんだと、それをご存知でないこともあって、こちらとしては結構やりやすくなったと思います。ただ、おばあちゃんがダメだというケースもあったりします。

アトピー性皮膚炎は、皮膚にアレルギーに基づく炎症があるため、皮膚に炎症を抑える薬(ステロイド軟膏)を使っている訳で、理に叶ったことをやっていると思います。読んだ本では、皮膚の表面にアレルギー性の炎症が出ていて、それより下は特に変化はないようです。皮膚の0.5ミリが問題になっているそうで、やはり皮膚に軟膏を塗る方法は正しいのかなと思っています。

患者さんもお分かりでしょうが、ステロイド軟膏は塗れば皮膚は良くなり、止めると悪化します。いわゆる“対症療法”なのでしょうが、現時点でそれに代わる薬はプロトピック以外はない状況です。

ステロイドという武器は、確かに間違った使い方をすれば副作用も出うる訳で、上手にかつ大胆に使うことが重要でしょう。最近は、プロアクティブ療法といって、良い状態を維持するために、ステロイドを間欠的に使うことが提唱されています。

今回、ガイドラインにこんなことが書かれていました。「この病気は慢性の病気で体質までは直らないこと、根治は困難でもコントロールは比較的容易であり、薬を使いながらうまく病気と共存していけば日常生活を送る上ではそんなに困難な病気ではないのだと発想を転換することがアトピー性皮膚炎と向かい合うために必要と思われます。 治療のゴールは”cure”(治癒)ではなく”care”(症状を抑えること)を目指すことです。」

赤ちゃんのアトピーは治るようなイメージがありますが、さすがに軽症ではないと治りづらく、ステロイド軟膏にも限界があるということなのでしょう。昨日のぜんそくの話とそっくりではありませんか?。やはり、アレルギー、恐るべしなのだろうと感じています。

ぜんそくもアトピーも最初は症状は軽く、慢性に経過をたどりこじれてきた訳でしょうから、ある程度成長してきた段階で、こじれていれば、今の医学をもってしても治らないということなのでしょう。

私も正直言って限界を感じており、早期発見、早期治療に活路を見出しています。最近は生後1ヶ月くらいから受診される患者さんが時折いらっしゃいます。その辺からアトピー性皮膚炎を見極め、炎症を抑えつつ、経皮感作も抑えていくのが望ましいのかなと感じています。

繰り返しになりますが、アレルギー、恐るべしです。