昨日、日本小児皮膚科学会に参加して勉強になったとお話ししました。
私の日頃の診療の中で、皮膚の病気はアトピー性皮膚炎が最も多いのですが、いつも言っているように学会に出れば「経皮感作」花盛りで、アトピー性皮膚炎を早く診断し治療に結びつけ、続発するであろうアレルギー疾患を抑制できればという話になっています。
ポイントは、赤ちゃんのうちに対応したいということでしょう。時間が経てば「経皮感作」が進行し食物アレルギーを発症してしまうし、アトピー性皮膚炎もこじれてしまいます。
乳児のアトピー性皮膚炎は、永年アトピー性皮膚炎を抱えてきた大きな子や大人のアトピーと異なり、こじれていないので治療しやすいということでしょう。最初はステロイド軟膏をしっかり使い、徐々に減らしていき、最終的には保湿剤のみで何とかしたいと考えていますが、当院の患者さんもこのような状態の患者さんは多いのです。
大きくなると、こじれる癖がつき始めるのと、患者さん自身も痒いのに慣れてしまうのか、定期通院もままならなくなり、皮膚症状のコントロールが難しくなっていくように感じています。
いずれにしても、アトピー性皮膚炎の初期の時点で早期発見、早期治療が最大のポイントであると考えていいでしょう。
昨日、うれしいことがありました。
この春から当院にかかり始めた患者さんがいました。ぜんそくやアトピー性皮膚炎があるのですが、頭髪やまつ毛もない脱毛症もありました。脱毛症に関しては、某病院の皮膚科で治療を受けていました。
今回の学会で一番感動したのは、脱毛症の治療かなと思っています。わざとかぶれる薬を塗り、刺激をすることで発毛を促すという方法です。思わず「へーっ」と感心してしまいました。斬新というか、そんな方法あるのか?って感じました。
たまたま昨日、その患者さんが受診され、皮膚科でその治療を受けているというのです。ただ、今のところは治療効果を実感していないということでした。
ところが、昨日は眉毛も出てきて、頭皮に毛が生えてきていることが確認できました。初診時は眉毛も頭皮に毛も全く確認できていなかったはずです。
実は、以前かかっていた小児科からぜんそくの治療を受けていましたが、ある内服薬を継続的に飲んでいました。私にはこれまで2人程、その類の内服薬で脱毛になったという経験がありました。
内服薬が脱毛の原因の可能性もあるんじゃないかと考え、その薬は中止とし、吸入ステロイド薬に変更していました。皮膚科の治療の効果もあるのかもしれませんが、これまで効果を実感できていなかったということでしたし、内服薬を止めたことが発毛を促した可能性も十分あると考えています。
眉毛は普通になっており、頭皮にも黒々した毛が生えてきており、とてもうれしく思っています。多分、大病院の皮膚科の先生は自分の治療の効果と思っているはずですが…。
原因は何であれ、患者さんがよくなってくれればいいのですが、これまでの経験が役立ったのかもしれず、自分のことのようにうれしくなります。ちょっと肩の荷が下りた気がしています。


