小児科 すこやかアレルギークリニック

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負荷試験をやるために
2016年07月12日 更新

先日、70キロほど離れた街から患者さんが当院を初診されました。

卵アレルギーがあり、完全に除去していました。ここで、いつものパターンを思い出していただきたいと思います。アトピー性皮膚炎があって、経皮感作で卵アレルギーを発症したのではないかという話です。

乳児期にアトピー性皮膚炎があり、かなりの確率で乳児湿疹と誤診されており、不十分な治療がなされていることが多いのが現状です。この患者さんは、アトピー性皮膚炎と診断されていました。それだけで珍しいことなのですが、専門医にかかっていました。

それならば当院を受診される必要もないのかもしれませんが、そこは負荷試験をやっていないところなので、それで当院に相談に来られたという格好です。

一通り診察した上で、すぐには負荷試験ができないことが判明しました。皮膚の状態が悪かったからです。

アトピー性皮膚炎とは診断されていたものの、治療にやや問題があり、皮膚がイマイチの状態でした。この状態で負荷試験をやると、食べて痒くなったのか、もともと痒かったのか分かりません。

ということで、皮膚の状態をよくしてからでないと負荷試験はできないのです。診断されいたのに何故とお思いかもしれませんが、治療が甘かったのです。

治療を見てみると、全体に弱い軟膏が出されており、しかも、すぐに塗り方を減らすよう指示されていました。いやいや、逆です。塗り方を減らすために、治療開始当初は連日ビシッと塗り続け、皮膚の炎症をコテンパンにやっつけないといけないのです。その上で、減らすことができると認識しています。

患者さんの皮膚の状態はよくなかったため、治療を強化して後日受診していただきました。予想通り、皮膚は柔らかくなり、痒みもほとんどなくなりました。ようやく、待望の負荷試験ができそうです。

先日、卵の加工品を用い、負荷試験を行いました。予定量を完食できました。加工品なので、卵焼きが1個食べられた訳ではないのですが、“卵を食べる”第一歩を踏み出すことができました。

これからは卵を少量から積極的に食べていただき、慣れていただこうと思っています。いまだに完全除去という医師が多いですが、これも逆です。食べていかないと、体に慣れさせることができないと思います。

負荷試験をやるためには、まず皮膚をキレイにしないといけないことを覚えておいていただきたいと思っています。負荷試験を受けるには、アトピー性皮膚炎の治療に精通した医師にかからないといけないのです。

皮膚は皮膚科にかかっていて、食物負荷試験のために小児科にかかるなんてことはよくあることなのかもしれませんが、本当はアトピー性皮膚炎も治療できる小児科医にかかるのが、“一石二鳥”なのかなと思っています。ただし、二つを兼ね備えた小児科医に出会える確率は減ってしまうのでしょうが…。

食物アレルギーの診療を受けるためには、いくつものハードルがあることがご理解いただけたでしょうか?。