当院は、今年は23日(火)からお休みをいただきます。
そのため、お盆前後に休む医療機関が多いのでしょうが、一般的なお盆期間は休みなしです。
そういうこともあってか、特に今年は市内の他院をかかりつけにしている患者さんや、お盆で地元に帰ってきている県外の患者さんを診る機会がありました。
当院は、アレルギーに力を入れているので、他の医療機関と多少の差はあっても仕方ないとは思いますが、それを差し引いても問題があろうというケースに結構遭遇しました。
アレルギーは慢性の病気なので、キチンと診断してあげないと、いつも言っているようにぜんそくやアトピー性皮膚炎を“風邪”や“乳児湿疹”と診断しているようでは、改善は見込めません。
良くなっていないにもかかわらず、同じような薬を出す小児科医が多過ぎます。これをお読みの方ならば、ご自分が医師なら、別の親御さんが我が子の症状を良くしたいと必死に通院する気持ちは痛いほど分かるでしょうから、改善がないのに同じ薬を出せるはずはないと思います。
これは完全に「甘え」でしょう。医師は、最初は実力が疑われることはないため、テキトーにやっても、患者さんはそういうものだと思ってしまいます。医療の世界は、患者さんをダマすことは簡単なのです。
ダマすことなく、誠意を持って診療すると、「時間」や「手間」が必要になります。問診をし直したり、検査を追加したりして、より核心に迫る必要があります。私はそれを考えているつもりですが、開業医の多くが“風邪”や“乳児湿疹”と決めつけて、同じ薬を出しています。「多く」は語弊があるかもしれませんが、少なくとも当院に逃げてこられる患者さんのほとんど全員がこんな感じです。
開業当初は、地域に貢献しようと志を持って皆が診療をスタートさせるのだろうと思います。10年、20年と経つと、楽をして利益を上げたいと思う場合もあるようです。当院はお陰さまでもうじき9周年を迎えます。ところが、当院をあとに開業した医師が、開院して数年しか経っていないのに既に手抜きを覚えたようで、いい加減なことをやっているのには驚きました。
両足首から下が真っ赤になった患者さんが皮膚科を受診した時のことです。「あせも」と診断され、「これは違う」と思い、当院を受診されたのです。
私が診ても、明らかにあせもではありません。私も適確に診断はできませんでしたが、たまに見かける湿疹ではありました。少なくとも「あせも」ではないことは素人でも分かります。これを「あせも」で済ませてしまう皮膚科医の気持ちがまったく理解できません。
私の経験上、数日で引いてくるものだと思います。ウィルス性の発疹かもしれないと思っています。素人もすぐに見抜けるようなウソをつくようでは、人間性が疑われます。その患者さんも「二度と行かない」と言っていました。
ただ、小さな街に1軒しか皮膚科がない場合、かかりたくなくてもかからざるを得ない場合もあるようで、我慢してかかっているケースもあるようです。そこでは、医師がやりたい放題になっていたりします。
このように、医師は患者さんにことを第一に考えず、テキトーにやっても十分利益を上げられることが分かります。学会など日頃の努力をしなくても、やっていけるのです。これってどう思いますか?。
私は悪質な開業医をABCとランク別に分け、ランクの低いCランクなら医療費は半分とかにすればいいと思っています。モノでもそうですが、「安かろう悪かろう」の発想です。いい加減な医者はだいたいクオリティーの低い医療をやっていますから。Cランクをつけたい開業医は、周囲には結構あります。
そうすることで、無駄な医療費を相当削減できるはずです。医師が食いっぱぐれるかと言えば、それでも十分利益はあがるのが医療のシステムです。誰にも迷惑をかけませんので、いい考えだと思うのですが。
国が医療費削減を本気で考えるのなら、ダメな医療を減らすことに手をつけないといけないと思っています。


