小児科 すこやかアレルギークリニック

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喉頭浮腫
2016年09月16日 更新

食物負荷試験を広めたい一心で、学会活動を頑張っているつもりです。

しかし、多くの小児科医が何の迷いもなくスルーしているのが現状です。やろうともしていません。

確かに、一人で診療していて、「負荷試験中にアナフィラキシーショックを起こしたらどうしよう?」と心配になるのは当然です。では、なるべくアナフィラキシーを起こさないようにやればいいのにと思ってしまいます。

当院の場合、卵、牛乳は頻度も多く、いろんな食品に含まれるため、加工品を使っています。卵クッキー、ミルククッキーを用いるのです。ほとんどの患者さんに適応できます。

一部の重症な患者さんは、これらを使って負荷試験をすると、まもなく症状が誘発されます。しかし、いきなりアナフィラキシーショックなんて経験はないため、ほぼ全例に適応できると思います。

当院でこれが使えないのは、重症な小麦アレルギーがある場合です。クッキーですから、小麦が含まれているのです。使えなければ、別の食材を使えばいいのですが。

これまで負荷試験をやってきて、強いアレルギー症状を起こさせてしまったことはほとんどありません。明らかな血圧低下は1人のみです。

実は、先日こんなケースに遭遇しました。それがタイトルの喉頭浮腫です。

ある患者さんに卵の負荷試験を行いました。無事に食べられることを確認し、帰っていただきました。しばらくして、親御さんから電話がありました。近くの店で食事をしているが、アナフィラキシーを起こしたようで、救急車を呼んだというのです。

お店でカルピスを飲んだかもしれないと言います。この患者さんは、卵が食べられるかどうかの検査のあと、牛乳アレルギーの評価の負荷試験をやることになっていました。つまり、牛乳も除去していたのです。

息がしづらそうで、救急車を呼んだそうですが、当院で負荷試験をやった患者さんなので、私が責任を取らなければなりません。牛乳アレルギーがあるかどうか分からず、当院の卵負荷の反応が遅れて出た可能性もあったため、救急車の搬送先は当院にすることにしました。

まもなく搬送されてきましたが、息がしづらく、顔色も悪い状況でした。エピペンと同じ成分のアドレナリンを筋肉注射し、酸素吸入、点滴を行います。血管が細くなっているせいか、点滴はしづらかったです。まさに修羅場でした。

食物アレルギーでの喉頭浮腫、喉の奥が腫れて呼吸しづらくなる状況を指しますが、初めてみました。負荷試験は多くやっているつもりですが、蕁麻疹のほか、ゼーゼーや咳き込み、嘔吐、腹痛が多く、こういう症状は起こり得るのは知っていましたが、診たことはありませんでした。

やるべきことをやれば待つのみですが、徐々に落ち着いてくれました。後日、アレルギー採血の結果が出て、ミルクの値が高値になっていました。当院の卵負荷の影響ではなかったようです。

その時は負荷試験って怖いなと思いました。でも、負荷試験はやりたくないとは思いませんでした。困っている患者さんの力になりたいと思うからです。これは1か月くらい前の話ですが、こうして今も普通に負荷試験をやっています。

こういう貴重な経験をさせていただいたため、これを活かし、これまで以上にいかに安全に負荷試験を行うかということを念頭において、負荷試験を行っていきたいと思っています。