小児科 すこやかアレルギークリニック

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体たらく
2016年10月06日 更新

昨日、某市に講演に行ってきました。

園関係者の会合でしたので、時間は18~20時と言われていました。つまり、子ども達の保育をした後で、皆さん集まってくださいました。

園•学校関係者は、第一線で子ども達と接していますので、食物アレルギー対策が必要となると、このように仕事で疲れ切った後でも勉強しなければなりません。

一方、肝腎の小児科医は、イマイチ関心不足。今週末の日本小児アレルギー学会に行っても、新潟県の小児科医はいつも見かける顔ぶればかりです。だから、こんな“事件”が起こるんでしょうね。

先日、食物アレルギーの相談に来られた患者さんがいました。当院は、市外からもそういう受診が多いのですが、まず最初に聞くことが、アトピー性皮膚炎の有無です。

新潟県は、皮膚科も小児科もアトピー性皮膚炎の診療が極めて弱く、診断すらなされていないことが多いのです。「経皮感作」が指摘され出した頃から問診で聞いていますが、個人的には、合併率はかなり高いと思っています。逆に全く皮膚に問題のない患者さんの方が圧倒的に少ないと感じています。

乳児期に湿疹があり、近くの皮膚科に通っていました。いつものパターンで、アトピー性皮膚炎が見逃されていたようです。皮膚科は皮膚のプロでなければなりません。

肝臓病なら肝機能を採血で調べないと分かりませんが、皮膚は目に触れます!。皮膚に湿疹があり、それを全身全霊でキレイにするのが仕事のはずです。ところが、効かないような薬が処方され、延々と通わされています。いわゆる過小診断・過小治療でしょう。

ハッキリ言って、アトピー性皮膚炎にまともに取り組んでいる皮膚科医って新潟県内にいるんだろうかってレベルです。これだけ世間では騒がれているのに、「経皮感作」や食物アレルギーに関心のある医師に遭遇したことすらありません。

過小治療されている間に、「経皮感作」が起こり、食物アレルギーが悪くなっているのだとしたら、由々しき問題だと思っているのですが、いつもいつもスルーって感じなのです。

今回の患者さんは幼児で、卵のお菓子はおろか、卵料理も食べていました。ある日、生卵を口にした時に、蕁麻疹が広がったそうです。上越市内の小児科にかかったら、卵アレルギーの診断で、卵の完全除去と言われたそうです。

多分、これをお読みの多くの方がガッカリされていると思います。有り得ない指導をされているからです。

卵は加熱するとアレルギーを起こしにくくなります。逆に、生卵はとてもアレルギーを起こしやすいのです。しなくていい除去を強いられ、それで「ありがとうございました」と言い、医療費を支払っていました。こんなのお金すらいただけないような“医療”でしょう。

この医院さんのホームページを見ると、午前中の最後の方は空いているので、食物アレルギーの相談を受け付けますなんて書いてあります。どう思われますか?。

更に悪いことに、ピーナッツやエビなど心配な食品まで、怖くて食べないようになりました。この小児科医の責任は重大です。

多分、こんな低レベルな指導が全国津々浦々で行われているのでしょう。例外もありますが、逆にベテランの小児科医の方がこういう指導をするようです。通常は百戦錬磨で、いろいろな経験があるとお母さん方はそう思うのでしょうが、古い医者ほど食物アレルギーの理解が低いことが多いように感じています。

食物負荷試験をしようともせず、専門医に紹介もなく、「オレはこれでずっとやってきたんだ」と言わんばかりです。こういう体たらくの現状も、多くの患者さんに知ってもらわなければならない現状だと思っています。