最近は、学会などで週末が埋まってしまうと、次の休みは子ども達と出掛けるようにしています。
今回は、土日と学会があった訳ですが、昨日は祭日で休みだったため、長野県小諸市のりんご園に行ってきました。先週はぶどう狩りに行きましたが、りんご狩りは初めてです。同じところでニジマス釣りをし、焼いてもらいその場で食べました。結構、おススメです(笑)。
さて、先程も言いましたが、週末は学会がありました。
今年も5回以上発表を繰り返してきました。週末の学会でも、負荷試験ができずに困っている開業医の先生が質問されていました。私の話を聞いてくだされば、「ちょっとやってみよう」という気になってくれたと思うのですが…。
ちなみに、以前私の話を聞いて診療に取り入れている開業の先生がいます。関西の方なのですが、着々と経験を積み、腕を上げておられるようです。
負荷試験は、多くの開業医が“食わず嫌い”状態のようです。勝手にできないと決めつけています。できなければできないで専門医に紹介すればいいのに、それもしないと昨日も言ったばかりですが、私は人間性が出ると思っています。
食事というと、毎日することだし、ましてや子どもは成長、発達のために十分な食事が必要です。それに不安を持っていては、困る訳です。かかりつけ医がそれを解決してあげる必要があります。にもかかわらず、負荷試験をせずに、紹介もしないとなると、もはや人間性の問題になるのではないでしょうか?。地元にも絶対に紹介してこない医者が複数います。
確かに同じ地域で紹介し始めたら、患者が減り、収入も減るでしょう。紹介したくない気持ちも分からなくもありません。ただし、自分の都合で患者さんに適切な医療を受けさせないのは絶対に違うと思っています。患者さんをもの扱いしているかのようです。
別の言い方をすれば、医療って他の職種とは異なるイメージを持っている方も多いと思いますが、「ビジネス」としてやっている医師は、儲けも優先的なファクターですから、そうなるのでしょう。もし正義感や倫理観が優先されるならば、こういうことにはならないはずです。
最近、新潟県内では感じていませんが、全国的には負荷試験を行う医療機関が広がってきています。やはり最初は卵、牛乳、小麦という子どもに多いアレルゲンが優先されるようです。
後回しにされるのは、ピーナッツやエビ、ソバなど大人に多いとされるアレルゲンでしょう。実際、アレルギーを専門にやっている医師に聞いても、アナフィラキシーが怖く、やっていないとのこと。
もちろん、私もアナフィラキシーの既往があると避けていますが、検査が陽性なだけで食べたことがないケースは必ず負荷試験を薦めています。「当院では負荷試験をやっています」と言うためには、あらゆるアレルゲンに対応して初めて、そう言えるのだろうと思っています。
今回の学会で、食物アレルギー診療ガイドライン2016が発刊されました(画像)。それには以前記載のなかったエビ、貝類、軟体類、果物、ソバ、ナッツ類、ゴマの負荷量が載っています。
これまでは記載がなかったため、これくらいの量だろうと思ってやってきたのですが、それが適切だったのか確認が必要だと思います。
ガイドラインに擦り合わせが必要な部分もありますが、ガイドラインというと、論文化されているものが十分な証拠として挙げられているため、最新医療からやや遅れる部分はあるのだろうと思っています。
そういう意味では、例えば食物アレルギーを防ぐために、アトピー性皮膚炎を発症する前から治療にするなど、私の知識の中でやれることは、ガイドラインの枠にとらわれることなくやっていこうと思っています。
本日のタイトルの何が最速かと言いますと、ガイドラインは3冊買ってきましたので、1冊は当院の待合室に置こうと思っています。患者さんが見られる状態にしておこうと思っています。
ガイドラインやちょっとしたパンフレットを「うちの方針と違う」と言い、院内に置こうとしない医院も多いと聞きます。専門医の薦める医療を“隠蔽”しようとしている訳です。正しい医療を広まってもらったら困る医師も少なくない訳で、こんな状況だから、医療の格差も大きくなっていくんでしょうね。



