小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

メールから始まる
2016年10月12日 更新

明日13日(木)は休診となります。

この2週間で3回目の休診となります。かかりつけの患者さんにはご迷惑をお掛けします。それにしてもこんな医院ってないですよね?。休み過ぎ(汗)。

すこやか健康フェア、日本小児アレルギー学会の発表、そして明日は他県での講演と、どれも大事な行事となっています。これは仕方ありません。

当院は慢性疾患の患者さんを診ており、他に変わる医療機関はないため、昨日は200人近くの診療をせねばならず、大変でした。もちろん、昼休みなんて取れるはずもなく、それでも午後の診療は30分も遅くなってしまいました。申し訳なく思っています。

遅れた理由は、紹介状を書いたりしていたこともあります。開業医は、施設でやれることの制限があるため、重症だったり、より高度な医療が必要だったり、専門外だったりすると紹介状を書く必要があります。

ただ、いつも言っているようにアレルギーだけは甘く見られており、多くの医者が「自分でも診れる」とばかりに、いい加減なことをして紹介しないケースが多々ありますので、患者さんは注意が必要です。

これだけ忙しい中、紹介状を書くのも一苦労です。「後で書いておくので、後日取りにきてください」と言うこともあります。ただし、昨日は速やかに書く必要がありました。

まずは一通のメールから始まりました。

某市にお住まいで、隣の街の大病院にかかっていました。ゼーゼーいいやすく、ぜんそくの診断でいろいろ治療を受けていたそうです。あまりにゼーゼーを繰り返すので、何とかならないかという相談のメールでした。

だいたいこういうメールは、親御さんが結構適確な情報を書いてくださるので、状況は手に取るように分かります。私の感想はこうです。「本当にぜんそくなのだろうか?」と。

ガイドライン推奨のぜんそくの治療がこれでもかと行われていました。普通は、これで良くなってくるはずです。それでも良くならないのなら、初心に返って「本当にぜんそくだろうか?」と悩む必要があります。

ところが、これまで3つの病院の小児科医が多分10名以上かかわってきたと思いますが、誰一人としてそういう発想は持ってもらえなかったようです。いつも言っていることですが、アトピー性皮膚炎なのに“乳児湿疹”、ぜんそくなのに“風邪”と誤診する小児科医は極めて多く、医者の先入観って恐るべしと思っています。

胸のCTを撮るなど精査が必要であるとアドバイスを送ったのですが、ある日突然当院を受診されたのです。

実際に診察してみると、ゼーゼー言っており、確かにぜんそくと思ってしまいます。ただし、詳しく話を聞いてみると、ちょっとおかしい。夜にすやすやと眠っており、喘息が悪化するはずの時間は問題がないのです。

ぜんそく用の吸入を行いました。確かに効果はありそうです。ですからぜんそくもありそうなのですが、フル装備のぜんそく治療が効かないなどいくつか違和感があります。プラスαはありそうです。

それ以上は当院では精査できないので、その道の専門家に紹介しようと考えました。ベストな選択肢は、多分新潟県では対応しづらいでしょうから、他県の大学教授にお願いすることにしました。小児呼吸器では全国屈指の先生です。

今週中に受診できるよう手配しました。この患者さんのために精査をし、現在の症状を今よりは改善させてくれるものと期待しています。9月の末にメールをいただき、2週間ほどでベストな先生へ橋渡しができました。

似たようなケースでは、多くの方が今かかっている医師を裏切っちゃいけないと他の医師に相談することすら躊躇うと思いますが、果たしてそれでいいでしょうか?。そう投げかけたかったので、この話題を提供しました。

ちょっと勇気のいることかもしれませんが、今回のように「一通のメールから始まる」こともあるのです。