小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

湿疹こそリスク
2016年11月01日 更新

今日は、「経皮感作」について書こうと思います。

昨日触れたように、英米ではピーナッツアレルギーを何とか減らしたいと考えているようですが、英国の研究でピーナッツアレルギーは、乳児期にピーナッツを含有する保湿オイルを使用している児に多いことが判明しています。

その後、日本でも社会問題化した「茶のしずく石鹸」騒動が起こります。ご存知のように皮膚から小麦が入ることで、小麦アレルギーでなかった大人が小麦を食べてアレルギー症状を発症するに至ったのです。小麦は、子どもに多いアレルゲンで、成長とともにドンドン治っていくので、普通はないことが起きたのです。

変な言い方になりますが、大規模な人体実験が行われたことで、経皮感作が一躍注目され、多くの研究者がこれについて研究し、現在に至ります。

以前から、重症なアトピー性皮膚炎を持つ赤ちゃんが様々な食べ物に対し、アレルギー検査が陽性になることが分かっていました。卵、ミルク、小麦などなどいろんなものに反応してしまうのです。

それが実は荒れた皮膚から食べ物が入ったと考えられるに至り、多くの専門医が腑に落ちたのだろうと思っています。それにしても、そのことに誰も気付かなかったことが不思議に思えてさえきます。

乳幼児期に湿疹のある児が、湿疹のない児に比べて、食べ物に対し検査が陽性になる頻度が高いことが報告されています。ピーナッツアレルギーも、湿疹(アトピー性皮膚炎)があり、しかも重症であればある程、リスクが高まることも分かってきています。

松本先生の論文では、ちょっとした湿疹の時期から食べ物への反応が見られるそうで、早期から食べ物に対するIgE抗体が作られてくるそうです。

実際、当院も早期の対応を心掛けていますが、生後1、2ヶ月の赤ちゃんにアレルギー検査をしても、卵やミルクは陰性のままです。きれいにクラス0が並んでいます。それが5、6か月になると卵やミルクの検査が陽性になってくる児が増えてきます。

この事実を考えると、生後5、6か月では対応が遅いと考えます。もっと早い時期に手を打たないと、食物アレルギーが悪化してくるように捉えています。

食物アレルギーの発症予防は、皮膚から食べ物が入るため、湿疹の治療を適切に行うことで、食べ物をブロックすればいいのではないかと考えられています。当院では、それに力を入れ始めています。

生後1、2か月の湿疹だと多くの親御さんが近くの小児科に相談して「乳児湿疹ですね。じきに治るでしょう。」なんて言われ、効かないような軟膏が出されることが多いようです。逆に、治療しているつもりが、治療になっておらず、経皮感作を進めていたりします。

これからは、そのことを分かっているアレルギー専門医に早くかかり、湿疹の治療をキチンと行うことがとても重要になってくると思っています。アレルギー専門医と書きましたが、専門医なら誰でもいい訳ではなく、食物負荷試験をやっているような、食物アレルギーにも力を入れている医師だけでしょう、

何故なら、食物アレルギーの診療で苦労している医師こそが、食物アレルギーの発症を抑えたいと強く願っているから。

湿疹のある赤ちゃんをお持ちの親御さんは、今すぐ専門医のもとへ。