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保険診療のシステム
2016年11月15日 更新

周囲をみていると、特に開業医は経営が重要なポイントのようです。

私も開業医。「ようです」と他人事のように書いたのは、経営に固執したことは特にありません。開院当初は、1日当たりウン10人の受診がないと、開業時にかかった借金を返せないなどとコンサルタントから言われていたため、「当院にそんなに患者さんが来てくれるのか」心配していました(汗)。

開院してからは、目の前の患者さんをどうするかしか考えていなかったため、どうすれば儲かるかなんて思いもしなかったですね。いまや、大勢の患者さんに頼っていただいていますが、その期待に応えるにはどうしたいいかと考えており、やはり経営を考えることとは無縁の状態です。有り難いことだと思っています。

最近、若手に医療の話をする機会がありました。医療のシステムを説明するため、ネットで調べていたら、面白い例えを見つけました。

患者さんを診ると、何割負担と言われているように窓口で一部の医療費が支払われます。かかった医療費のごく一部であり、のちに残りの医療費が支払われる格好となっています。

診療には、2種類あります。「出来高払い」と「包括払い」です。

「出来高払い」とは、一つの医療行為の単価を積み上げて合計する方式です。ネットで見つけた例えが面白いのですが、居酒屋でビール2杯、焼酎3杯、刺身盛り合わせ2皿などを単純に足してその合計額を支払うというものです。

一方、「包括払い」は一般的な投薬、点滴、検査などからこの病気ではこれくらいかかるという額を算出し、一定額を支払われるという方式です。居酒屋でいう「食べ放題・飲み放題で〇〇円」というパック料金のようなものです。

多分、「出来高払い」だと必要のない検査を繰り返したり、不要な薬を処方すれば、儲かるため、それを防ぐ意味で「包括払い」が考案されたのだと思います。

「出来高払い」のデメリットは、先程も述べた通り、検査漬け、薬漬けを招いて医療費が増大してしまうことです。だったらパック料金の「包括払い」にすればいいと思うかもしれません。

そこで問題になるのが、検査をすればする程、薬を処方すればする程、儲からなくなる訳で、過少医療というか手抜き医療が起こってしまうのです。

多くの医師は頭が良いため、どうすれば効率よく利益を上げられるか考えているようです。一般の方は検査をした方が儲かるはずなのに、なぜ検査をしてくれないんだろうと思うこともあるかもしれません。それは「包括払い」を選択しているからかもしれません。

赤ちゃんがかかると、重症化しやすいRSウィルスを調べない小児科医が多いという話をここでもしたことがあると思います。実際に1歳以上になると検査してもRSウィルスは保険請求できないことになっているのですが、全国各地の多くの小児科医が1歳以上の子どもにRSウィルスの検査は避けているのが現状です。以前、患者さんとメールをしていて、「なぜそれくらいをケチるのか?」と言われたことがあります。

そう、それくらいをケチってしまうものなのです。当院では、必要と判断すれば、損をしようが調べています。ケチっていては、良い医療ができないと考えているからです。

医療というと神聖なものと思っている患者さんが多いと思いますが、実情はこんな側面も持っているのです。こういう医師が昨日の話じゃないですが、具合が悪くなった時に、原因究明と最短距離で治してくれる治療を選択してくれるでしょうか?。

多分、無理だと思います。それが現実です。