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負荷試験も…
2016年11月29日 更新

当院は、お陰さまで9年以上になっています。

日本で一番くらいに経営に無頓着な開業医なのかもしれません(汗)。何故なら、昨日触れた、アレルギー検査をするとどれくらい損失があるかなんて、考えたこともないから…。

病院に勤務していた頃は、赤字的な行為をしても自分の給料に反映されることもないため、若手の医師は思う存分、医療に励んでいたと思うのですが、開業した途端に「びた一文損はしない」という開業医も多くなります。

アレルギー専門医であれば、2項目しか調べないなんて、有り得ないと思います。アレルギーに関心のない医者がそういうことをしていると思うし、できるんだと思います。そんな不誠実きわまりないことをして「アレルギー科」なんて看板を掲げたりしているんですから、医師のモラルも地に落ちたものです。

昨日の話を読んで、「負荷試験はどうなっているの?」と思った方は鋭いと思います。昨日の話を思い返してみると、「包括払い」を選んでいると、3830円の中で医療行為を完了しなければなりません。

食物負荷試験は何と10000円です。これだけで大幅赤字になることがお分かりでしょう。保険点数を計算してみると、1回当たり7000円以上の赤字になっているようです。

いつも言っている通り、負荷試験が広まらない理由は、そんなに食べさせたいと思わない医者が多いことやリスクを伴うことがあります。そりゃそうですよね?。医院で食べさせて具合が悪くなれば、医師の責任になります。多くの医師がリスクを負いたくないと考えています。

負荷試験は、小児科には珍しく高い金額設定となっていますが、お金は欲しいがリスクは負いたくないと考える医者が、天秤にかけて「やらない」と判断しているのでしょう。

確かに、食物アレルギー素人の医者に負荷試験なんてして欲しくありませんが、できないなら専門医に紹介するくらいはして欲しいのに、近隣ではそういうこともほぼありません。開業医の横暴さが見て取れると思います。

ちなみに、負荷試験は年間2回以内、9歳未満という決まりになっています。当院は「食べさせたい」一心で負荷試験に励んでいますので、多い人は年間5回くらいやっていますので、うち3回はボランティアとなっています。9歳以上は負荷試験をしないなんて決めていませんから、中学生でも分け隔てなくやっています。これも10000円は請求できません。

それでも患者さんのためにやりたいと思って、責任を持ってやっているという訳です。食物アレルギーは社会的にも注目されていますが、多くの小児科医がやりたがらない理由がリアルにお分かりなったのではないでしょうか?。