アレルギーという分野は特殊なのかもしれません。
例えば、未熟児はNICUをもった大病院でしか治療できないし、白血病も血液の専門医のいる大きな病院でしか対応できません。心疾患もカテーテル検査や、手術が必要になることもあり、大病院でしか対応は無理でしょう。
腎臓病も正確に診断するには、腎臓の組織を採取する必要があり、開業医ではまず無理です。神経も、CTやMRIといった高価な医療機器も必要になることが多いでしょう。
結局、小児科の開業医は軽症が中心となるものの、対応できる病気と言えば感染症とアレルギーとなるのだろうと思います。
こう考えてみると、アレルギーって何も設備というか、医療機器が必要ないし、手術も不要です。他の分野とは大きく異なることがお分かりだろうと思います。
現実問題として、アレルギーは多くの開業医が手掛けてもいません。アレルギー検査の数値を見ただけで、「除去、除去」というだけ。負荷試験なんて、隠蔽すらしています。何なんだろうと思います。
アトピー性皮膚炎も、多くの小児科、皮膚科が“乳児湿疹”と決めつけて、キンダベートなど効かない薬を繰り返し処方するのみ。いつも言っているように、「経皮感作」の進む大事な時期にいい加減な治療をして、食物アレルギーを発症させている可能性すらあります。
何年も前に茶のしずく石鹸騒動が起き、それ以来、学会に行けばここ何年も「経皮感作」の話が中心になっています。ところが、「経皮感作」を考えてアトピー性皮膚炎の治療に取り組んでいる医師が、この世にどれだけいるでしょうか?。アトピーの診断すらままならないのです。
食物アレルギーも負荷試験の重要性が示され、アレルギー検査の数値だけで判断しないようにとガイドラインには書かれています。ということは、新しいことに着いていけない医者が多いのではないかという疑念も生じてきます。
開業医をみていると、何年経っても全く同じ薬を処方しているようです。アレルギーの分野は日進月歩なのに、診療内容に大して変化もないように感じられます。「オレは今までこれでやってきたんだ」と言わんばかりです。
小児科というと、百戦錬磨のベテラン医師が頼りになるとお思いかもしれませんが、アレルギーに関しては、その変化に着いていけない医師は年配者に多い気がします。年をとって、チャレンジ精神もなくなってくると、負荷試験もやる気もないし、リスクを負いたくないのでしょう。
であれば、専門医に紹介すべきなのでしょうが、食べさせる気も更々なし。ずっと除去除去で済ませてきたので、自身は困っていないし、患者さんがどれだけ困っているかに気付きもしていないようです。
医療の世界に、ある意味「老害」ってのはあるのだろうと思っています。


