小児科 すこやかアレルギークリニック

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二つのニュース
2016年12月12日 更新

週末、アレルギーに関する二つのニュースが報道されました。

一つは、卵を乳児期早期から食べさせると、卵アレルギーが減るという話。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161209/k10010800691000.html
もう一つは、アレルギー疾患対策基本法により、拠点病院を整備しようという話。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161211-00000024-mai-soci

今日は、どっちの話をしましょうか?。卵アレルギーが減る話からにしましょう。

記事を読んでいただければ分かりますが、アトピー性皮膚炎があると「経皮感作」を受けて、食物アレルギーを発症しやすくなります。

確かに、当院でも早い時点で対応しようと、アトピー性皮膚炎を発症しかけていると考えると、ステロイドによる軟膏治療を開始しています。早過ぎて、アトピー性皮膚炎と確定される前からというケースもあるくらいです。「経皮感作」されると、食物アレルギーを発症するかもしれないので、できる限り早期の対応が求められるのだと思っています。

生後1か月からアレルギー採血をしていますが、今のところ生後1、2か月で卵やミルクが上がっている患者さんはいません。早いと3か月から上がりかけてきて、5、6か月になるとしっかり上がっている患者さんが増えます。

ですから、生後1、2か月の時点で受診していただけるのが一番です。もちろん、“湿疹”のある赤ちゃんということです。

いつも指摘していることですが、「経皮感作」を受けて、卵白が陽性の赤ちゃんは卵アレルギーが確定ではありません。卵を食べてアレルギー症状が出るのが卵アレルギーとなります。

ですから、今回の記事で生後6か月から卵を摂らせるというのは、多くが卵アレルギーかどうか分からないということなんだろうと思っています。この記事に大矢先生の名前が出ています。そう、先々月に新潟市で開催した「すこやか健康フェア」の講師を務めていただいた先生です。

その時に「一次予防」、「二次予防」、「三次予防」という話が出てきました。「一次予防」とは、「経皮感作」もさせず、発症もせないように予防することであり、「二次予防」とは、「経皮感作」を受けていても、発症とは限らないため、発症させないようにするかということでした。「三次予防」とは、既に感作も受けて発症しているため、「治療」に当たるということでしょう。

今回の記事では、感作の状態が書かれていないので、「一次予防」と「二次予防」を合わせたものということでしょうか?。

通常なら、卵アレルギーの発症を恐れて食べさせないため、以前も海外でピーナッツを除去していた方がピーナッツアレルギーが増えるという報告がありましたが、卵に関して、わが国で同様のことが証明されたということでしょう。

今だから言えますが、秋から今回の成育医療研究センターの論文の話は出ていました。乳児期から食べさせた方がいいようだということでした。実は、当院は既に治療に取り入れています。

当院がやっているのは、2つあります。

一つは、最近触れましたが、早いと生後1か月とか、生後3か月から「経皮感作」を防ぐべく、ステロイド軟膏による治療をしっかりと行っていること。先程の「一次予防」になるのではないでしょうか?。いずれも卵の値は上がっていないので、上がらせなければ、作戦は成功だと考えています。

もう一つは、既に「経皮感作」を受けて卵が上がっている患者さんに、卵を微量食べさせていることです。これは先の「二次予防」に当たると思います。

今回の成育医療研究センターの発表を取り上げた別のニュースで指摘されていることですが、真似をして家で食べさせないように、専門医に相談するようにと注意点が挙げられています。確かに、とびつく患者もいそうですし、安易なことを言う非専門医も出てきそうです。

特に「二次予防」では、既に卵の値が上がっており、卵アレルギーの可能性が十分ある訳ですから、勝手に与えては危険を伴います。当院では、危険な目に遭わせないように微量の卵の負荷試験を行っています。食べられれば、その範囲内で食べてもらうようにしています。

こういう時代にアレルギー専門医として生きているからできることですが、まだ多くの医者が取り組んでいないような最先端の医療を、開業医の立場で提供でいることに喜びを感じています。

これまで卵アレルギーで困り果てた患者さんを大勢診てきました。苦労もしてきました。こうすることで、将来ご苦労するであろう患者さんを確実に減らすことができれば、医者冥利に尽きると言っていいでしょう。

最近はこういう患者さんが多く受診してくださり、毎日が楽しいです。