今年が当院が上越の地に開院して10年目となります。
「十年一日」と言いますが、まさにそんな感じ。開業するまでの10年とまるで違うなと思っています。自分のやりたいことに専念できており、充実しているからでしょうか?。
その前は隣の柏崎市の病院で勤務医をしていました。その当時からアレルギー専門の診療をしていました。ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの診療をやっていたのです。
今ほどの件数ではないですが、真面目に食物負荷試験もやっていました。ただ、知名度が低かったため、遠くから訪れてくれる患者さんは少なかったです。柏崎市内の患者さんを責任を持って診ていました。
その当時からの患者さんなのですが、ぜんそくのお子さんが先日、久々に当院を受診されています。「久し振り」なんて言おうと思いましたが、残念ながらぜんそくの調子が悪いようです。
最初に会ったのは、幼児の頃だったと思います。ぜんそくと診断して治療をしていました。もう10年以上前のことです。
この患者さんは結構重かったため、吸入ステロイド薬を使って治療していました。現在もぜんそく治療は、中等症、重症であれば吸入ステロイド薬を使います。
軽症ならば、しかも幼児であれば内服薬で治療しますので、私としては強めの治療をさせていただいていました。それは、ぜんそく症状が落ち着かなかったからです。
しかし、吸入ステロイドを使い始めてから症状は落ち着いていきました。2年以上状態が落ち着いていることを確認し、吸入ステロイドを中止しました。「気道過敏性試験」といって気管支の過敏性がとれているかどうかの検査もし、クリアしたため、併用していた内服のぜんそく薬も中止していました。
「気道過敏性試験」は自動車学校で言うと、卒業検定に当たります。小さいと検査自体をできないのですが、10歳くらいだったため実施した上で、ぜんそく治療中止のお墨付きを出していました。
その後、1年に2回受診していただき、ぜんそくの調子のいいことを確認しており、5年続けました。ぜんそくは治療を止めて、5年間調子がよければ、“治った”と言ってもいいというルールがあるのです。
患者さんも、開業後も隣町からせっせと通ってくださり、ぜんそくの治癒を無事に見届けたつもりでした。途中で通院を止める患者さんが多く、最後まで見届けられることって、そうはないことなのです。私としては、「いい仕事をした」って思っていました。
昨年末に受診されたのですが、気管支炎をきかっけに、明らかにぜんそく症状も出ていました。とてもガッカリしました。
「気道過敏性試験」をして、5年間の無症状を確認して、治療の終了を伝える患者さんは、ぶり返すことも有り得ますが、ほとんどが「完治」しているようです。
ところが、今回のようなケースを目の当たりにしました。ガッカリしているのは本人と親御さんでしょうが、私も同じくらい残念に思っています。
ぜんそくは、こんなにも治りづらい病気であると実感させられています。


