「はしご受診」って言葉をご存知でしょうか?。
年々医療費が膨張し、私たちの税金からもまかなわれています。私が医師になった頃は20数兆円だったように記憶していますが、今や40兆円。留まるところを知りません。
その医療費を減らすための、国の秘策がかかりつけ医を持つことで、「はしご受診」を減らそうということらしいです。
そもそも「はしご受診」とは、はしご酒と似たような言葉です。つまり、居酒屋を1軒、2軒、3軒とまわるのがはしご酒ですが、Aという医者に行って思わしくなく、Bという医者に行き、納得できずCという医者にいくというかかり方を指しています。
A医院、B医院、C医院と似たような検査をすると、その分医療費が無駄にかかっています。国はそういう受診の仕方を減らせば、医療費の削減に一役買えると思っているようです。
かかりつけ医を持ち、A医院を信用して、あちこちを受診しないようにしましょうと言っている訳です。
ここで考えたいのが、A医院に行っても症状の改善がないから、B医院、C医院に行かざるを得ないのだろうということです。A医院で満足のある医療が得られれば、BやCに行く必要がない訳です。もしくは、A医院が自分の手には負えないと考えて、すぐにDという総合病院に紹介してくれていたら、BやCといった開業医に行かずに、医療費も節約できるのではないでしょうか?。
要するに、開業医の提供する医療レベルが異なり、適切に紹介も行われていないことが根底にあるのだろうと思っています。そもそも日本の保険診療制度は、「日本の医療はレベルが高いから」という理由で、同一料金になっています。研修医からその道の第一人者まで、診療にかかる料金は変わりません。
私は、この制度は「絵に描いた餅」だと考えています。何故なら、努力している医師とそうでない医師がいることを知っているからです。努力もせずに、利益を最優先にしている“困ったちゃん”も沢山いますね。
「はしご受診を減らそう」と言いますが、いかにも患者の方が浮気性のような言い方です。A医院の診療内容が十分であれば、患者さんはBやCには行きません。日本の保険診療制度の矛盾を自ら認めているようなものです。
患者さんが悪いのではなく、医者の方が圧倒的に悪いと思っています。その辺を改めないと、膨張する医療費に歯止めはかけられないと思っています。


